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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0361A01: 鶯囀經題
J18_0361A02: 軒近く囀る鳥の聲きけは
J18_0361A03: 鷲の御山の友かとそおもふ
J18_0361A04: ずずにおのづから。念佛を勸るとこあり
J18_0361A05: あみた佛と唱ふることにずずの數
J18_0361A06: つもるをみれはなほいさみけり
J18_0361A07: 信心かひなきを思ひつづけて
J18_0361A08: 怠りの心の儘にあふくかな
J18_0361A09: 捨ぬ誓のたぐひなければ
J18_0361A10: 六十六といふとしの暮に
J18_0361A11: 吳竹の浮ふししげき一年も
J18_0361A12: 今日を限りの入相のかね
J18_0361A13: ことしのはるおもく煩らひて。ここち死
J18_0361A14: ぬべく覺えければ。病をつとめてもろも
J18_0361A15: ろの御經をよみ侍りしが。殊さらたふと
J18_0361A16: くありかたくて。かの陶隱居のことなん
J18_0361A17: ど思ひいでしかば。
J18_0361B18: 百年の齡もかなと思ふなり
J18_0361B19: 知らぬ御法のかぎりなければ
J18_0361B20: かくつらねしが。よしなき忘念ぞとおもひ
J18_0361B21: 返して
J18_0361B22: 世をすてて迎の雲をまつ身には
J18_0361B23: 年のつもるそ嬉しかりける
J18_0361B24: 終るときさそな心もいさむべき
J18_0361B25: 常に迎の雲をまつ身は
J18_0361B26: この外もあれども。別にうつして。閑居
J18_0361B27: の詠草と題するにゆずりてここにはぶく
J18_0361B28: 師詩偈多しといへどもただ一時の寫情のみあへて推
J18_0361B29: 敲せらるることなし。ある時隆圓これをあつめんこ
J18_0361B30: とをこふ。師笑ていはく。むかし徐常侍魏收が文集
J18_0361B31: をとりて。これを江にしづめて。我魏公のために拙
J18_0361B32: をかくすといへり。汝何ぞ我拙をあらはし。耻を千
J18_0361B33: 歳に殘さんと欲するやとてゆるされず。しかはあれ
J18_0361B34: ど。沒後これをすつるにしのびず。一所にあつめ

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