浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0309A01: | だしくして。權門勢家を避ざること。皆此類ひなり |
J18_0309A02: | き。 |
J18_0309A03: | 師長建寺より。此大林寺にうつりても。もはら弘法 |
J18_0309A04: | を任とし。一家の經論をはじめ。梵網經。起信論。唯 |
J18_0309A05: | 識論等を講説し夜は儒典。老莊を講述して。大衆を |
J18_0309A06: | 敎育せらる。これによりて。宗門の光輝一時盛大な |
J18_0309A07: | りけり。護法の苦心を盡るる事。これ日もたらずと |
J18_0309A08: | す。實に澆末にありて。匡正救弊の一奇人なりとい |
J18_0309A09: | ふべし |
J18_0309A10: | 一年。大に旱して。處處に請雨すれども。その驗あ |
J18_0309A11: | ることなし。諸民の患尤甚しかりければ。大守師に |
J18_0309A12: | 命じて雨を祈らしむ。師これをうけがひ。すなはち |
J18_0309A13: | 雨ふる迄は。何日にても斷食すべしと誓ひて。日夜 |
J18_0309A14: | 精誠を凝して。無量壽經を讀誦せられしに。その驗 |
J18_0309A15: | いちじるく。第三日にいたりて。空かきくもり。雷 |
J18_0309A16: | 電はげしくなりとどろき。半日一夜の間暫くも小止 |
J18_0309A17: | なく。甘雨大にそそぎければ。人皆蘇息のよろこび |
J18_0309B18: | をなせり。此事又後にもありて。おなしく驗を得られ |
J18_0309B19: | しとなん。經に佛所遊履。國邑丘聚。靡不蒙化。 |
J18_0309B20: | 天下和順。日月淸明。風雨以時。災厲不起。とし |
J18_0309B21: | も説給へり金口所説。誠實なること師の至誠にあら |
J18_0309B22: | はれ。諺に莫耶の刀も持人によれりといへる宜なる |
J18_0309B23: | かな |
J18_0309B24: | 評云。往昔。延久四年三月。洛北岩藏大雲寺成尋 |
J18_0309B25: | 和尚。宋にいたれり。彼國凞寧五年なり。翌六 |
J18_0309B26: | 年。正二月雨なし。天下大に旱す。神宗皇帝。和 |
J18_0309B27: | 尚に勅して。三月二日より。祈雨の密法を修せし |
J18_0309B28: | む。同四日夜。大に雨ふりて。五日の晨にいた |
J18_0309B29: | る。帝自ら。道場に詣して。燒香禮拜して。和尚 |
J18_0309B30: | に善慧大師の號を賜へり。張大保。歎じていは |
J18_0309B31: | く。西天の日稱三藏。祈雨五日にして得たり。中 |
J18_0309B32: | 天の慧遠。慧寂。七日にて應ず。いまだ三日の速 |
J18_0309B33: | なるごときはあらずと。つぶさに釋書に出たり。 |
J18_0309B34: | 今師。勇猛強盛の感驗。實に善惠大師にゆづら |