浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J18_0173A01: | 黄をなん見侍る。仍て師の自行化他のやうなど委 |
| J18_0173A02: | しく聞侍りしに。實も少縁の事にはあらざるなめ |
| J18_0173A03: | り。それ聖者の身を分て一方の生を化するにあら |
| J18_0173A04: | すは。何そ海裔の利益かくのごとく隆なることを |
| J18_0173A05: | えんや。予仰慕の思ひにたへず曾てしばしば消息 |
| J18_0173A06: | して。中心の葵誠を述ぶ。然るに師いく程なくて |
| J18_0173A07: | 遂に滅を示されしかは。哀惜の情しのびがたく。 |
| J18_0173A08: | すずろに墨染の袂をしほり侍りぬ。爰に有縁の緇 |
| J18_0173A09: | 白。相共に予に謂ていはく。隱士の道跡。みな人 |
| J18_0173A10: | のしる所にして。一時の視聽に乏しからずといへ |
| J18_0173A11: | ども。若詳かに行狀を集錄せられは。猶聞を永世 |
| J18_0173A12: | に貽さんと。いと慇懃に請せらる。予素より疎昧 |
| J18_0173A13: | にして。みだりに筆の林に遊べとも。才の花採る |
| J18_0173A14: | べきなく。硯の池に臨めども詞の泉掬ふべきもな |
| J18_0173A15: | し。しかはあれども。高師の山のたかき跡の埋も |
| J18_0173A16: | れなん事を惜み。憚の關のはばかりをもかへり見 |
| J18_0173A17: | ず。普くかの門葉に咨ひ。細かにその遺文を拾ひ |
| J18_0173B18: | て。〓に盛績の顚末をしるし侍る。後のこれを見 |
| J18_0173B19: | ん人。只その賢き跡を見て。ひとしからんと思ひ |
| J18_0173B20: | て。拙き筆のすさひを嘲ることなく。これを以て心 |
| J18_0173B21: | 行の一助として。西邁の先途を遂げ給へといふこと |
| J18_0173B22: | しかり。時に享保庚子の春彌生半のころ野釋寶洲 |
| J18_0173B23: | 奧陽相馬興仁蘭若にしてこれをしるし侍る |
| J18_0173B24: | 跋無能隱士行業後 |
| J18_0173B25: | 昔者石垣金光上人。乃吉水之門人。而當初之翹楚 |
| J18_0173B26: | 也。以大師讃許之辭而察此則深造宗敎之淵 |
| J18_0173B27: | 蘊也可知矣。後有故來乎玆州遂取滅焉。然 |
| J18_0173B28: | 無紀籍之所傳。而其遺風勝業。不可得而知 |
| J18_0173B29: | 也。是故舜昌法印。載之列傳弗獲復詳惜乎。 |
| J18_0173B30: | 粤守一無能和尚者。葢一方之人傑也。其道操凛 |
| J18_0173B31: | 烈。淨業精至。始不下古德矣。且勸誘爲任。 |
| J18_0173B32: | 孳孳不惓。州郡嚮化者。〓不知其幾千萬也。 |
| J18_0173B33: | 先喆有言學者漸漸繁。道人漸漸稀。豈知叔世邊 |
| J18_0173B34: | 陲。亦有若人凡人有片善。猶足稱之。矧備衆 |