ウィンドウを閉じる

J2660 無能和尚行業記 宝洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0164A01: 總計三億六千九百三十萬遍以大億算之
J18_0164A02: 已上
J18_0164A03: 無能和尚勸心詠歌
J18_0164A04: 昔惠心僧都和歌は。狂言綺言なりとて。始はうとみ
J18_0164A05: て讀給はさりしに。或時近江の湖水を眺望し給ひけ
J18_0164A06: るが。人ありて。滿誓沙彌が漕行船の跡の白波とい
J18_0164A07: へる古歌を吟しけれは。僧都殊に感し給ひて。和歌
J18_0164A08: は觀念の助縁なるべしとて。それより二十八品十樂
J18_0164A09: の歌など。折にふれて詠じ給ひけるとかや。今師も
J18_0164A10: 又かの古風をしたひて。よりより三十一字をつらね
J18_0164A11: て。念死念佛の懷を述られ侍りき。詠草あまた見へ
J18_0164A12: しか共。悉く載るに遑あらず。今わずかに其五十首
J18_0164A13: をえらひ擧るのみ
J18_0164A14: 浮舟の身をは難波によするとも
J18_0164A15: 心なとめそよしとあしとに
J18_0164A16: こころすむ山もやあるといとふ世の
J18_0164A17: 中を尋ねし事そ悔しき
J18_0164B18: 賴むそよ願ふ心はよはくとも
J18_0164B19: 誓ひの御手のつよきちからを
J18_0164B20: 山の端にかたふく月を見てもまづ
J18_0164B21: 南無阿彌陀佛われもいつかは
J18_0164B22: 賴みをは本の誓ひにかけ置て
J18_0164B23: 迎のくもをまつそうれしき
J18_0164B24: 世をいとふ心のいととすすむにそ
J18_0164B25: 隙ゆく駒の影ももどかし
J18_0164B26: 後の世もこの世もともに南無阿彌陀
J18_0164B27: 佛まかせの身こそやすけれ
J18_0164B28: うらむかひ御名をよへともよそこころ
J18_0164B29: てらすほとけのかたぞはづかし
J18_0164B30: 極重惡人無他方便唯稱彌陀得生極樂
J18_0164B31: あしかりし身は難波江の捨小舟
J18_0164B32: たたひく浪や南無阿彌陀佛
J18_0164B33: ともすれは西の雲井にあくかるる
J18_0164B34: 心に身をもいつかまかせむ

ウィンドウを閉じる