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J2660 無能和尚行業記 宝洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0161A01: なりと。時に某申さく。若然らは。病者快氣仕へ
J18_0161A02: くやと。地藏尊答給はは。いかにも快氣せさすべし
J18_0161A03: と。予又申さく。左候はは彼者も念佛の行者になし
J18_0161A04: 給へかしと。地藏尊又宣ふやう。逗留の中には念佛
J18_0161A05: 者と成し。左澤の樣にすべしと。此儘を承ると。た
J18_0161A06: ちまち夢覺め。間もなく晨朝になり候ひき
J18_0161A07: 一又享保元年十月十六日の夜明方の夢に。北の空に
J18_0161A08: 瑞雲たなひき。大光明閃閃と輝きける間。不思議に
J18_0161A09: 思ひ居たる所に。瑞雲の中より。三尺四方程の輪光
J18_0161A10: 顯はれ。御長二尺斗の圓光大師の眞影。御頭上窪
J18_0161A11: く。面貌けたかく。薄墨の法服を召し。御手に念珠
J18_0161A12: を搯り。月輪の如く。明了に顯れ給へり。これに依
J18_0161A13: て。高聲に念佛し。拜み候内に。尊形段段と幽かに
J18_0161A14: 成りて消給へり。扨しばらくありて。東の空に齡三
J18_0161A15: 十斗なる公家の。容儀氣高く美麗なるが。黑き直垂
J18_0161A16: に冠を着し。兩手にて笏を持し。端坐して顯はれ給
J18_0161A17: へり。予肅み拜し居たる所に。件の尊容西方に向ひ
J18_0161B18: て默禮あり。夫よりするすると。予が前に來下し給
J18_0161B19: ふ。時に予心に思はく。此尊容は。定て八幡大菩薩
J18_0161B20: にてましますらんと。則頭を地に著て居候處に。尊
J18_0161B21: 容やがて予が頭の邊まで降り給ひ。予に告て宣く。
J18_0161B22: 汝久劫より濟度未熟なりと予高聲念佛一遍汝常に婬欲を思ふ
J18_0161B23: 心あり。宜しからずと。明日をもしらぬ夢の世なり
J18_0161B24: 深く無常の理りを思へと予念佛一遍乞食非人をも憐て。
J18_0161B25: 踈略に勸むる事なかれ云云此時予右の神勅を慥かに
J18_0161B26: 記憶せんと。思惟しける内に夢覺ぬ
J18_0161B27: 一師正德三年十二月十五日。三寶護法に祈請して。
J18_0161B28: 制誡七十二件を錄し。みづから心の師と成りて。自
J18_0161B29: 心を誡勗せられ侍る。其錄に云
J18_0161B30: 普勸衆生護三業 行住坐臥念彌陀
J18_0161B31: 一切時中憶地獄 發起增上往生心
J18_0161B32: 誓願不作三塗業 人天樂報亦無心
J18_0161B33: 忽憶地獄長時苦 不捨須臾忘安樂
J18_0161B34: 安樂佛國無爲地 畢竟安身實是精

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