浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0739A01: | 謹書於山洲甕原心光丈室 |
J17_0739A02: | 附錄 |
J17_0739A03: | 守夜神降臨記 |
J17_0739A04: | 慶長八年癸卯三月十五日袋中上人法林寺にて專修念 |
J17_0739A05: | 佛し給ふ道塲に婆珊婆演底守夜神女降臨し給へりそ |
J17_0739A06: | の相貌は虚空中に於て寶樓閣香蓮華獅子の座におは |
J17_0739A07: | します眞金色おこそかに紺靑の目髮あざやかなり慈 |
J17_0739A08: | 悲柔順のかほばせ端嚴なれば拜するに歡喜の心を生 |
J17_0739A09: | ず身にはあかき衣を着頭に寶冠をいただきて寶瓔珞 |
J17_0739A10: | を身にまとへり一切星のかたち體にありて光り四方 |
J17_0739A11: | をかがやかし一一の毛孔に於て皆無量惡道の衆生を |
J17_0739A12: | 化度する事をあらはして不可思議未曾有のありさま |
J17_0739A13: | なりさて上人に告て宣はく師常に彌陀の本願を仰ぎ |
J17_0739A14: | て口稱念佛のつとめ年をつめり我宿願力あるにより |
J17_0739A15: | てこれを感ずること深し此故に今來りて我思ふ所を |
J17_0739A16: | 告るなり世の人彌陀の本願を修し口稱念佛の行たえ |
J17_0739A17: | ざらんものは常に守るが故に其人をして山海水火の |
J17_0739B18: | 諸難を初めあらゆる畏難をのぞき又一切の願ひもと |
J17_0739B19: | むる所を成就せんとてひとつの神符をあたへ我をた |
J17_0739B20: | のむものはかならずちからに應じて念佛せよといひ |
J17_0739B21: | 終りて御かたちはかくれさせ給ひぬ上人此神女を拜 |
J17_0739B22: | しその御告を聞て感喜深くしてこの趣をしるして藏 |
J17_0739B23: | 中に納められしとなりさればかの神符と御告の趣を |
J17_0739B24: | 引あはせ殊に降臨の日十五日なるが故此日を彼神の |
J17_0739B25: | 縁日と定めて本地身阿彌陀佛と傳ふるこそ殊にたふ |
J17_0739B26: | とく思ひ侍る。 |
J17_0739B27: | そもそも此女神は華嚴經中主夜神の一にして中天竺 |
J17_0739B28: | には婆僧多又は婆娑婆陀婆羅薩耶と名く此の方に |
J17_0739B29: | て依止不畏と譯す又は春生神とも春和神とも名く |
J17_0739B30: | 四十華嚴十七日本にては春主當神と名け奉るとなんくはし |
J17_0739B31: | くは鸞宿大僧正のしるし給ふ縁起に見へたり。 |
J17_0739B32: | 託靜門下愚尼慧松摸寫之 |
J17_0739B33: | |
J17_0739B34: | 袋中上人傳一卷 |