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J2580 袋中上人伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0739A01: 謹書於山洲甕原心光丈室
J17_0739A02: 附錄
J17_0739A03: 守夜神降臨記
J17_0739A04: 慶長八年癸卯三月十五日袋中上人法林寺にて專修念
J17_0739A05: 佛し給ふ道塲に婆珊婆演底守夜神女降臨し給へりそ
J17_0739A06: の相貌は虚空中に於て寶樓閣香蓮華獅子の座におは
J17_0739A07: します眞金色おこそかに紺靑の目髮あざやかなり慈
J17_0739A08: 悲柔順のかほばせ端嚴なれば拜するに歡喜の心を生
J17_0739A09: ず身にはあかき衣を着頭に寶冠をいただきて寶瓔珞
J17_0739A10: を身にまとへり一切星のかたち體にありて光り四方
J17_0739A11: をかがやかし一一の毛孔に於て皆無量惡道の衆生を
J17_0739A12: 化度する事をあらはして不可思議未曾有のありさま
J17_0739A13: なりさて上人に告て宣はく師常に彌陀の本願を仰ぎ
J17_0739A14: て口稱念佛のつとめ年をつめり我宿願力あるにより
J17_0739A15: てこれを感ずること深し此故に今來りて我思ふ所を
J17_0739A16: 告るなり世の人彌陀の本願を修し口稱念佛の行たえ
J17_0739A17: ざらんものは常に守るが故に其人をして山海水火の
J17_0739B18: 諸難を初めあらゆる畏難をのぞき又一切の願ひもと
J17_0739B19: むる所を成就せんとてひとつの神符をあたへ我をた
J17_0739B20: のむものはかならずちからに應じて念佛せよといひ
J17_0739B21: 終りて御かたちはかくれさせ給ひぬ上人此神女を拜
J17_0739B22: しその御告を聞て感喜深くしてこの趣をしるして藏
J17_0739B23: 中に納められしとなりさればかの神符と御告の趣を
J17_0739B24: 引あはせ殊に降臨の日十五日なるが故此日を彼神の
J17_0739B25: 縁日と定めて本地身阿彌陀佛と傳ふるこそ殊にたふ
J17_0739B26: とく思ひ侍る。
J17_0739B27: そもそも此女神は華嚴經中主夜神の一にして中天竺
J17_0739B28: には婆僧多又は婆娑婆陀婆羅薩耶と名く此の方に
J17_0739B29: て依止不畏と譯す又は春生神とも春和神とも名く
J17_0739B30: 四十華嚴十七日本にては春主當神と名け奉るとなんくはし
J17_0739B31: くは鸞宿大僧正のしるし給ふ縁起に見へたり。
J17_0739B32: 託靜門下愚尼慧松摸寫之
J17_0739B33:
J17_0739B34: 袋中上人傳一卷

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