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J2540 弾誓上人絵詞伝 宅亮 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0692A01: 互ひに師資の芳契あり。上人檀特山彌陀直受の法を
J17_0692A02: ば幡隨和尚に傳へ。和尚白簱一流の法をば上人に傳
J17_0692A03: へられたり。仍て取替しの名號とて幡隨和尚大字の
J17_0692A04: 名號并に書翰血脈今現に當山に有。慶長八年卯の夏
J17_0692A05: の事なりき。
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J17_0692B18: 彈誓上人繪詞傳卷下
J17_0692B19:
J17_0692B20: 夫より相州早川の庄塔の峯に至り。巖窟に籠り念佛
J17_0692B21: し給ふ。或時領主大久保氏狩に出られけるが思はず
J17_0692B22: も此所に至り上人を見出して異相に驚き。若る人里
J17_0692B23: 遠き山中に住るること人類にてはよもあらじと疑
J17_0692B24: ひ。數多の犬を放ちかけて試らるるに。犬どもみな
J17_0692B25: 頭を低膝を折て吠ることあたはず。彌瞋りて弓を取只
J17_0692B26: 一箭に射倒さんと箭を放つに。その箭も折て落たり。
J17_0692B27: 領主も五躰すくみてはたらかず。其時上人告給はく
J17_0692B28: 我は是諸國修行の聖なり。しばらく爰に山居せり。
J17_0692B29: かならず怪しみ給ふことなかれといひ畢りて。靜かに
J17_0692B30: 念佛し給へば。領主大ひに信を發し。前非を悔み謝
J17_0692B31: して。山林を寄附し。恭敬尤をごそかなり。或時門
J17_0692B32: 人念光といふもの重病に惱さる。上人此念光をひき
J17_0692B33: ひて山澗に下り。かの鐵杖を以て穿ち給ふに。忽ち
J17_0692B34: 石間より溫泉涌出たり。念光是に浴して病平愈す。

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