浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0683A01: | 稽察せるに往往あやにくきこと侍れとさのみひかひ |
J17_0683A02: | かしきけちめもあらねはさすかにはふきぬるもあ |
J17_0683A03: | たらしくあつめて二卷となし稱念上人行狀記と名 |
J17_0683A04: | けしとなんまことに謝恩の志し厚く利生の思ひふか |
J17_0683A05: | けれは見聞の人をのつから進趣の益を得ん事すく |
J17_0683A06: | なからしと隨喜し侍りぬされは慇に予に序辭を乞 |
J17_0683A07: | もとめられしかと齡ひ耄耋にいたり片言雙語もし |
J17_0683A08: | るす事あたはす餘命旦暮にせまりぬれは蹲りて西 |
J17_0683A09: | 歸をねんするほか他なしといたく辭し侍れとひた |
J17_0683A10: | ふるにもとめられしかはあなかちにいなむにいな |
J17_0683A11: | みかたくたた其精をみかきおもひを覃ふし遠くも |
J17_0683A12: | とめ廣くあつめられし志をよみしていささか其來 |
J17_0683A13: | 由を述るのみ。 |
J17_0683A14: | 時に寶曆十二の秋七月京師華頂知恩敎院 |
J17_0683A15: | 淨光室にしてしるす 前大僧正善阿順眞 |
J17_0683A16: | 稱念上人行狀記自序 |
J17_0683A17: | 鷲嶺の月鶴林の雲にかくれてより二千餘年法燈炳 |
J17_0683B18: | 然として支那本邦にかかやきまさに今澆季におよ |
J17_0683B19: | へとも光りますます熾なり文治建久のむかし吾吉 |
J17_0683B20: | 水大師專修の門をひらき弘願の宗を立玉ふに步を |
J17_0683B21: | 易行の道に運ひ終に淨域にいたるもの鮮からすそ |
J17_0683B22: | ののち三百二十餘歳を經て永正天文の間吾捨世の |
J17_0683B23: | 鼻祖稱念上人出玉ひて吉水のなかれを汲みこころ |
J17_0683B24: | を化他に專にして三十余囘の春秋處處に精舍を草 |
J17_0683B25: | 創し四十二歳にして當院に入滅し玉ふ其行狀淨土 |
J17_0683B26: | 高僧傳及列祖傳に粗載て稱すれとも事跡悉齟齬せ |
J17_0683B27: | りまた緇白往生傳のこときはその旨を得て其顚末全 |
J17_0683B28: | からす予不敏なりといへとも其行狀を口碑にもと |
J17_0683B29: | め古記をたつね欠たるを補ひ卷をふたつにわかち |
J17_0683B30: | 廣く世に弘通せんとす進むては海のことくふかき大 |
J17_0683B31: | 恩の一滴を謝し奉り退ては末代行者往詣樂邦の一 |
J17_0683B32: | 助に備んとおもふ左ありなむときは攝取の月光ま |
J17_0683B33: | すます專修の門を照し法のともしひ口稱の窓に映 |
J17_0683B34: | して來迎引接の加祐をあまねくおよほしてめてた |