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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0683A01: 稽察せるに往往あやにくきこと侍れとさのみひかひ
J17_0683A02: かしきけちめもあらねはさすかにはふきぬるもあ
J17_0683A03: たらしくあつめて二卷となし稱念上人行狀記と名
J17_0683A04: けしとなんまことに謝恩の志し厚く利生の思ひふか
J17_0683A05: けれは見聞の人をのつから進趣の益を得ん事すく
J17_0683A06: なからしと隨喜し侍りぬされは慇に予に序辭を乞
J17_0683A07: もとめられしかと齡ひ耄耋にいたり片言雙語もし
J17_0683A08: るす事あたはす餘命旦暮にせまりぬれは蹲りて西
J17_0683A09: 歸をねんするほか他なしといたく辭し侍れとひた
J17_0683A10: ふるにもとめられしかはあなかちにいなむにいな
J17_0683A11: みかたくたた其精をみかきおもひを覃ふし遠くも
J17_0683A12: とめ廣くあつめられし志をよみしていささか其來
J17_0683A13: 由を述るのみ。
J17_0683A14: 時に寶曆十二の秋七月京師華頂知恩敎院
J17_0683A15: 淨光室にしてしるす 前大僧正善阿順眞
J17_0683A16: 稱念上人行狀記自序
J17_0683A17: 鷲嶺の月鶴林の雲にかくれてより二千餘年法燈炳
J17_0683B18: 然として支那本邦にかかやきまさに今澆季におよ
J17_0683B19: へとも光りますます熾なり文治建久のむかし吾吉
J17_0683B20: 水大師專修の門をひらき弘願の宗を立玉ふに步を
J17_0683B21: 易行の道に運ひ終に淨域にいたるもの鮮からすそ
J17_0683B22: ののち三百二十餘歳を經て永正天文の間吾捨世の
J17_0683B23: 鼻祖稱念上人出玉ひて吉水のなかれを汲みこころ
J17_0683B24: を化他に專にして三十余囘の春秋處處に精舍を草
J17_0683B25: 創し四十二歳にして當院に入滅し玉ふ其行狀淨土
J17_0683B26: 高僧傳及列祖傳に粗載て稱すれとも事跡悉齟齬せ
J17_0683B27: りまた緇白往生傳のこときはその旨を得て其顚末全
J17_0683B28: からす不敏なりといへとも其行狀を口碑にもと
J17_0683B29: め古記をたつね欠たるを補ひ卷をふたつにわかち
J17_0683B30: 廣く世に弘通せんとす進むては海のことくふかき大
J17_0683B31: 恩の一滴を謝し奉り退ては末代行者往詣樂邦の一
J17_0683B32: 助に備んとおもふ左ありなむときは攝取の月光ま
J17_0683B33: すます專修の門を照し法のともしひ口稱の窓に映
J17_0683B34: して來迎引接の加祐をあまねくおよほしてめてた

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