浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 | 
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| J17_0645A01: | せびていとたうとかりし。 | 
| J17_0645A02: | ○箇樣ノ御行狀ヲ親リ拜セバ誰カ感シ奉ラサラン沛然トシテ肺腑ノ中ヨリ流レ出ル感涙ナレバ見聞ノ人モ眞如内薰法尒ノ涙トドメガタクサモアリナント末ノ世マデ逸志ヲ懲創シ善心ヲ感發スルコト利益スクナカラズイトタウトシ。 | 
| J17_0645A03: | 尊鎭法親王光を尋來給ふ事 | 
| J17_0645A04: | 下粟田靑蓮院御門跡は天台座主の一院にましまして | 
| J17_0645A05: | 三昧院の法流を傳へ傳敎大師を祖とし慈覺安慧相應 | 
| J17_0645A06: | 及ひ慈鎭良尋良快大僧正乃至尊鎭法親王と次第連綿 | 
| J17_0645A07: | して續かせ玉ふ天文十七年時の御門主は尊鎭法親王 | 
| J17_0645A08: | と申奉りき頃は秋の末黄葉地に落錦を布に異ならず | 
| J17_0645A09: | 其夕山莊に渡らせ玉ひしはらく四方を御覽あり此日 | 
| J17_0645A10: | 頃まて樹樹の梢もいとはえて愛樂せしに折から殺氣 | 
| J17_0645A11: | の西風にえだを辭しもろく落ゆくもみぢ葉の常なら | 
| J17_0645A12: | ぬ世の有さまもかくこそあらめと無常轉變を觀想ま | 
| J17_0645A13: | しましてむかし西土の國王朗然として開發せる縁覺 | 
| J17_0645A14: | 乘の因縁もかかる時節ならんと龍樹大士の所説なと | 
| J17_0645A15: | 思ひ合させ給ひ入會の鐘の響きにけふも暮ぬと遠山 | 
| J17_0645B16: | の鹿のなく音もいと哀に稱名の御聲をのつからたう | 
| J17_0645B17: | とくおはしますに南より一道の光明御座を照し草木 | 
| J17_0645B18: | もさなから金色に見へけれは親王驚かせ玉ひ斜日の | 
| J17_0645B19: | 反照するにもあらず此光明は何地より來りけん其源 | 
| J17_0645B20: | を尋んと近侍稍二人みたり供奉し參らせ御境内を山 | 
| J17_0645B21: | に登り谷にくだり御つかれをもかへりみず御尋あり | 
| J17_0645B22: | しに上人の柴の庵より出しなり不思議の思ひをなし | 
| J17_0645B23: | さし窺ひ玉へは一僧西にむかひ一心不亂に高聲念佛 | 
| J17_0645B24: | せりつらつら御覽ありしに御僧稱名の聲に隨て口よ | 
| J17_0645B25: | り出る光明なりきかたへの人高貴の來臨と告ぬるに | 
| J17_0645B26: | 上人打驚き拜迎ありければ親王感信のあまり掌を合 | 
| J17_0645B27: | せ給ひ名はいかにと尋させ玉ふに稱念と答へもふし | 
| J17_0645B28: | 奉り高貴の御方かかるたそかれに渡らせたまふはい | 
| J17_0645B29: | かなる御事にやと御側なる人に御尋たてまつりしに | 
| J17_0645B30: | 一道の光明我居所を照しける其源を尋んとはからす | 
| J17_0645B31: | ここに來りぬれは稱名念佛の聲に隨て西門より出し | 
| J17_0645B32: | 光明いとたうとく殊勝の行者なり末代にもかかる不 |