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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0106A01: 法然上人傳記卷第一下
J17_0106A02:
J17_0106A03: 登西塔北谷持法房事 入皇圓阿闍梨室事
J17_0106A04: 遂出家受戒學六十卷事 入叡空上人室事
J17_0106A05: 法花修時白象現事 眞言修行時觀成就事
J17_0106A06: 暗夜得光明事 花嚴披覽時靑龍出現事
J17_0106A07: 藏俊僧都寬雅法印等對面事
J17_0106A08: 紫雲覆日本國事 叡空上人臨終事
J17_0106A09: 登西塔北谷持法房事
J17_0106A10: 久安三年三月十五日登山す。彼叔父の觀覺は。もと
J17_0106A11: は山門の住侶也けるが。隨分の修學者にて。成業の
J17_0106A12: 望をなしけるに。思ひの外に流轉しける恨によりて
J17_0106A13: 南都にうつりけるが。學道の望をとげて。ほどなく
J17_0106A14: 得業になりて。久しくの得業とぞ申ける。然どもな
J17_0106A15: を本山の舊執ありけるにや。此兒をば。延曆寺西塔
J17_0106A16: 北谷持法房の源光法師がもとへぞ登せける。彼時觀
J17_0106A17: 覺得業が狀に。進上。大聖文殊の像一體。と書る間。
J17_0106B18: 源光此消息を披閲して。文殊の像を尋るに。文殊の
J17_0106B19: 像は見へずして。小兒來れり。源光先日のゆめに文
J17_0106B20: 殊を拜す。今の消息に符合せり。文殊の像とは此兒
J17_0106B21: の器量をほめたる詞なりと心得て。即書を授に。流
J17_0106B22: るる水よりも速也。
J17_0106B23: 入皇圓阿闍梨室の事
J17_0106B24: この兒の器量等倫にこえ。ほどなく拔羣の名譽有け
J17_0106B25: れば。源光が云。我は是魯鈍の淺才也。すべからく
J17_0106B26: 碩學に付て。圓宗の奧義をきはむべしとて。同年四
J17_0106B27: 月八日。功德院の阿闍梨皇圓に入室せしむ。闍梨手
J17_0106B28: をうちて云。去夜の夢に。滿月室に入と見る。少生
J17_0106B29: 又俊利也。ただ人にあらずといひて。法門をならは
J17_0106B30: しむ。彼闍梨は粟田の關白四代の後。權守重兼が嫡
J17_0106B31: 子。少納言資隆の朝臣の兄也。隆寬律師の伯父。皇
J17_0106B32: 覺法橋の弟子。時にとりての名匠也。
J17_0106B33: 遂出家受戒學六十卷事
J17_0106B34: 同年の仲冬に出家受戒す。或時師に申て云。すでに

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