浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J16_0989A01: | びらかに。縁起のおほやけなる事。此御傳に過たる |
J16_0989A02: | は侍らず。時の人の。いまさらのやうにうやまひた |
J16_0989A03: | ふとひて。念佛門に入けんはげにさることにこそ。 |
J16_0989A04: | されば其頃。澄圓上人といふ高僧あり。本は山門の |
J16_0989A05: | 學匠にて。博學強記たぐひなかりければ。時の人讃 |
J16_0989A06: | 美して一切經藏とぞ名づけける。精義神にいり。靈辯 |
J16_0989A07: | 玉をはく。當代の龍象なりしが。つゐに淨土門に歸 |
J16_0989A08: | 依し。鎭西の流を汲て。專修の行者となり。淨土十 |
J16_0989A09: | 勝論十餘卷を撰述して。吉水の宗義を翼讃せらる。 |
J16_0989A10: | 其中に大師の法語を引證して。所立の義勢を成ぜら |
J16_0989A11: | れし事の侍りし時。或人なをその法語の眞僞をうた |
J16_0989A12: | がひしかば。澄圓ただ我ひとりこれを得たるにあら |
J16_0989A13: | ず。亦知恩院別當法印大和尚位舜昌も。これを得 |
J16_0989A14: | て。祖師の行狀畫圖の詞とせりと答申されて。公論 |
J16_0989A15: | の證據には此御傳を出されたり。澄圓は舜昌法師と |
J16_0989A16: | 同時の人なりき。されば御傳のかくはや。時のため |
J16_0989A17: | に重ぜられし事。あに敕集のやんごとなく。作者の |
J16_0989B18: | おほやけなりしゆへならずや。上代の智者なをかく |
J16_0989B19: | のごとし。いはんや末代の人をや。かかれば。近代 |
J16_0989B20: | 聖道の學者の中にも。御傳をひらき見て。すずろに |
J16_0989B21: | 深信を起し。念佛門におもむくともがらも。あまた |
J16_0989B22: | 聞ゆめり。まして深閨の内に。いつかれ給ひて。聞 |
J16_0989B23: | 法の縁うとうとしからん婦人などのためには。これ |
J16_0989B24: | ぞげに。長夜を照す燈にして。苦海を渡る船なんめ |
J16_0989B25: | り。をよそ佛法廣しといへども。戒定惠の三學を具 |
J16_0989B26: | せずして。轉凡入聖の解脱を得なんとは。大乘にも |
J16_0989B27: | 小乘にも。自力の法門にはおもひ絶て侍り。たとひ |
J16_0989B28: | 三學を一念に得といふなる。頓悟の輩も。そのうつ |
J16_0989B29: | は物。むかしの人に及ばねば。實に漸修の功を積 |
J16_0989B30: | ざれば。聖果の跡はあらはれず。しかれば生涯はた |
J16_0989B31: | だ理悟の凡夫にとどこほりて。後有いまだほろびざ |
J16_0989B32: | れば。なを三界の流轉をまぬかれず。更に隔生即忘 |
J16_0989B33: | の恐れありと。古人もふかくなげき給へり。然に濁 |
J16_0989B34: | 世末代の此頃は。道俗男女を論ぜず。あらがふ所な |