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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0680A01: 行なるを。自力根性の人は。定散のいろどりを指南
J16_0680A02: として。彩色なき念佛をは。往生せぬいたづらもの
J16_0680A03: ぞとおもへる事。しかるへからす。自力根性をすて
J16_0680A04: て。他力門にむかへとなり。さればとて。大乘のさ
J16_0680A05: とりある人。ふかき領解ある人。戒をたもてる人な
J16_0680A06: どの申念佛は。わろしとにはあらす。よくよくこの
J16_0680A07: 分別を。わきまふへきものなり。
J16_0680A08: 畫圖
J16_0680A09: 津戸の三郞入道尊願。不審なる事をは。上人往生の
J16_0680A10: 後は。善惠房にたづね申けり。しかるに文曆の比。
J16_0680A11: 關東の念佛者の中に。善惠房の義とて。心えぬ事ど
J16_0680A12: もを披露しけるにつきて。かの入道。善惠房にたづ
J16_0680A13: ね申ける狀云。念佛往生の間の事。彌陀の本願にまか
J16_0680A14: せ。善導和尚の御釋。故上人の御房の御すすめによ
J16_0680A15: りて。上百年にいたり。下一日七日十聲一聲にいた
J16_0680A16: るまて。念佛往生は决定のよしをうけ給て。往生を
J16_0680A17: ねがひ候所に。仰せ候とて。當時關東の學生の中
J16_0680B18: に。無智にては。つとめたりとも。臨終しづかにを
J16_0680B19: はりたりとも。往生したりとは思へからす。又學問
J16_0680B20: したらんものは。たとひ臨終のとき。いかなる狂亂
J16_0680B21: をし。くるひ顚倒したりとも。决定往生なりと申候。
J16_0680B22: この事御房中にいかやうに思食たりといふ事。慥の
J16_0680B23: 便宜のとき。仰らるへく候。かやに申せは。尊願が
J16_0680B24: すべなき事を申とぞ。おほしめしぬへき事にて候へ
J16_0680B25: とも。學問せぬ人の。なげき申あひだ申候也。云云
J16_0680B26: ●文曆ハ四條院ノ年號也
J16_0680B27: ●御房中トハ謙敬シテ直ニ其人ヲ指ス隨仕ノ人マ
J16_0680B28: テ聞スル詞也御門下御座下ナト云ト同意ニテ實ハ
J16_0680B29: 其人ヲ指ス辭ナリ
J16_0680B30: 同年九月三日。善惠房の返狀云。學問せざる。ひら
J16_0680B31: 信じの念佛は。往生すべからざるよし。この邊に申
J16_0680B32: ときこえ候らん。極たるひが事に候なり。ひらに信
J16_0680B33: じて學問せざるも。又文につきて學するも。おちつ
J16_0680B34: く所はただおなじく。南無阿彌陀佛にて。往生すべ

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