浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0680A01: | 行なるを。自力根性の人は。定散のいろどりを指南 |
J16_0680A02: | として。彩色なき念佛をは。往生せぬいたづらもの |
J16_0680A03: | ぞとおもへる事。しかるへからす。自力根性をすて |
J16_0680A04: | て。他力門にむかへとなり。さればとて。大乘のさ |
J16_0680A05: | とりある人。ふかき領解ある人。戒をたもてる人な |
J16_0680A06: | どの申念佛は。わろしとにはあらす。よくよくこの |
J16_0680A07: | 分別を。わきまふへきものなり。 |
J16_0680A08: | 畫圖 |
J16_0680A09: | 津戸の三郞入道尊願。不審なる事をは。上人往生の |
J16_0680A10: | 後は。善惠房にたづね申けり。しかるに文曆の比。 |
J16_0680A11: | 關東の念佛者の中に。善惠房の義とて。心えぬ事ど |
J16_0680A12: | もを披露しけるにつきて。かの入道。善惠房にたづ |
J16_0680A13: | ね申ける狀云。念佛往生の間の事。彌陀の本願にまか |
J16_0680A14: | せ。善導和尚の御釋。故上人の御房の御すすめによ |
J16_0680A15: | りて。上百年にいたり。下一日七日十聲一聲にいた |
J16_0680A16: | るまて。念佛往生は决定のよしをうけ給て。往生を |
J16_0680A17: | ねがひ候所に。仰せ候とて。當時關東の學生の中 |
J16_0680B18: | に。無智にては。つとめたりとも。臨終しづかにを |
J16_0680B19: | はりたりとも。往生したりとは思へからす。又學問 |
J16_0680B20: | したらんものは。たとひ臨終のとき。いかなる狂亂 |
J16_0680B21: | をし。くるひ顚倒したりとも。决定往生なりと申候。 |
J16_0680B22: | この事御房中にいかやうに思食たりといふ事。慥の |
J16_0680B23: | 便宜のとき。仰らるへく候。かやに申せは。尊願が |
J16_0680B24: | すべなき事を申とぞ。おほしめしぬへき事にて候へ |
J16_0680B25: | とも。學問せぬ人の。なげき申あひだ申候也。云云 |
J16_0680B26: | ●文曆ハ四條院ノ年號也 |
J16_0680B27: | ●御房中トハ謙敬シテ直ニ其人ヲ指ス隨仕ノ人マ |
J16_0680B28: | テ聞スル詞也御門下御座下ナト云ト同意ニテ實ハ |
J16_0680B29: | 其人ヲ指ス辭ナリ |
J16_0680B30: | 同年九月三日。善惠房の返狀云。學問せざる。ひら |
J16_0680B31: | 信じの念佛は。往生すべからざるよし。この邊に申 |
J16_0680B32: | ときこえ候らん。極たるひが事に候なり。ひらに信 |
J16_0680B33: | じて學問せざるも。又文につきて學するも。おちつ |
J16_0680B34: | く所はただおなじく。南無阿彌陀佛にて。往生すべ |