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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0533A01: 生すべきむね。ねんころにをしへ給けれは。二人と
J16_0533A02: もに涙にむせびつつよろこびけり。上人の仰をうけ
J16_0533A03: たまはりて後は。ひるは浦にいでで。手にすなどり
J16_0533A04: する事やまざりけれとも。口には名號をとなへよる
J16_0533A05: は家にかへりて。二人ともにこゑをあげて。終夜念
J16_0533A06: 佛する事。あたりの人もおどろくばかりなりけり。
J16_0533A07: つゐに臨終正念にして。往生をとげにけるよしつた
J16_0533A08: へきき給て。機類萬品なれとも。念佛すれは往生す
J16_0533A09: る現證なりとぞ。おほせられける。
J16_0533A10: ●高砂浦ハ賀古郡ナリ
J16_0533A11: 畫圖
J16_0533A12: ●高砂ノ浦ニ十輪寺トテ大師ノ開基トイヘル淨家
J16_0533A13: ノ寺アリ今東山禪林寺ノ末流也村民等彼寺ノ檀越
J16_0533A14: トシテ其先祖大師ノ化導ヲ蒙リシ者ノ末アリト
J16_0533A15: ソ●スナトリハ漁ノ字ナリコレヲスル者ヲ漁父
J16_0533A16: ト云
J16_0533A17: 同國室の泊につき給に。小船一艘ちかづきたる。こ
J16_0533B18: れ遊女がふねなりけり。遊女申さく。上人の御船の
J16_0533B19: よしうけたまはりて推參し侍なり。世をわたる道ま
J16_0533B20: ちまちなり。いかなるつみありてか。かかる身とな
J16_0533B21: り侍らん。この罪業おもき身。いかにしてかのちの
J16_0533B22: 世たすかり候へきと申けれは。
J16_0533B23: ●泊ハ舟附于岸曰泊字彚此室泊昔ヨリ遊女アル
J16_0533B24: 所ニテ江口神崎ノ如クナリトソ●詩經ノ國風ニ漢
J16_0533B25: 有遊女洛神賦ニ從南湘之二妃攜漢濱之
J16_0533B26: 遊女ト順和名ニ遊女ヲウカレメト云ト夫木集ニ
J16_0533B27: 源仲正河ノ瀨ニ浪ノウキ草ウカレアリクソノタハ
J16_0533B28: レメヲイカカタノマン後京極攝政タレトナクヨセ
J16_0533B29: テハカヘルナミ枕ウキタル舟ノ跡モトトメス九卷
J16_0533B30: 傳ニ遊女申ケルハ昔小松ノ天皇八人ノ姬宮ヲ七
J16_0533B31: 道ニ遣ハシテ君ノ名ヲ留メ給キコレ遊君ノ濫觴ナ
J16_0533B32: リト一書ニ遊女カ家ノ長カ先祖ヲ注シテ小松ノ天
J16_0533B33: 王ノ娘宮玉判加陵風芳ト云有ケリ江口神崎室兵
J16_0533B34: 庫ノ傾城ハコノ末ナリト

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