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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0699A01: の三ともに無き時節也此の故に彌陀如來因位に此の
J09_0699A02: 衆生の爲めに名號の本願を立て給ひ釋迦如來は此の
J09_0699A03: 五濁に出てて彌陀の願意三部經を説きて極樂へ往生
J09_0699A04: せよと勸め玉はん爲めに願を發し玉ふ誠に發遣の敎
J09_0699A05: 主なることを○これより西とは此の日本よりと云の
J09_0699A06: 義には非す一須彌世界百億三千大千世界より也○佛
J09_0699A07: になり給へりとは此の彌陀の成佛か念佛者の手形也
J09_0699A08: 故に善導大師彼佛今現在世成佛等と釋し玉へり○惡
J09_0699A09: 業煩惱とは末代のみに非す正法の鈍根の者は修行成
J09_0699A10: し難し像法も亦爾也何况や末代惡業盛なる時をや○
J09_0699A11: とく生死をはなるるとは聖道の敎も出離生死有るべ
J09_0699A12: しと云へとも順次には叶ひ難し幾千萬劫を經てか出
J09_0699A13: 離すへきぞ此の名號は順次往生の法なれは此の次の
J09_0699A14: 生は極樂也○われもしひさしく穢土にあらはとは且
J09_0699A15: く衆生に同して滅度を取り玉ふ也若し久しく此の世
J09_0699A16: に在らは衆生還て邪見を起すへきか故也佛の滅度は
J09_0699A17: 衆生の常見を破さん爲め也佛は實に非滅に滅を現し
J09_0699B18: 玉ふ也法華壽量品第六十一 丁云若佛久住於世薄德之人不
J09_0699B19: 種善根貧窮下賤貪著五欲入於憶想妄見網中若
J09_0699B20: 見如來常在不滅便起憍恣而懷厭怠不能生於
J09_0699B21: 難遭之想恭敬之心又十七丁云爲度衆生故方便現涅
J09_0699B22: 槃而實不滅度常住此説法攝論には化身の滅度に
J09_0699B23: 明六意一事究竟故二爲除樂倒故三令捨輕慢
J09_0699B24: 故四爲生渴仰故五爲身精進故六欲速成熟故
J09_0699B25: 梁論下之二卷十四丁序記三之五十三丁望西二初丁此等の故に阿難昔日世尊の住壽
J09_0699B26: 一劫を勸請すれとも如來不受其請入涅槃し玉ふ
J09_0699B27: 涅槃事畧下廿四丁○本意たたこの事を等とは釋迦因位寳海梵
J09_0699B28: 志の願にこたへて五濁の世に出現し玉ふことは主
J09_0699B29: 人の無諍念王の願を説き顯さんか爲めなり大小權實
J09_0699B30: 半滿の敎を説き玉ふ事は只機の前の隨他意也本意は
J09_0699B31: 唯是れ隨自意の念佛也如是云へは聖道家より種種の
J09_0699B32: 難を致さん爾れとも能能分別して見よ釋迦の慈悲の
J09_0699B33: 至極は重苦の衆生を濟はん爲め也尤も上根中根の機
J09_0699B34: も有る故に大小乘は説き玉へとも下劣の機には益無

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