浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0691A01: | 聖道の脩行を以て立地に成佛すと云ふ人は一人も無 |
J09_0691A02: | き也爾れは我等は生死出離はならぬ也縁無き故に無 |
J09_0691A03: | 始より以來少しの縁も無しと信する也されは此の淨 |
J09_0691A04: | 土の安心は立ち易き也又聖道の煩惱即菩提生死即涅 |
J09_0691A05: | 槃と云へとも未悟時は此の安心立ち難き也聖道の |
J09_0691A06: | 意も悟れる人は各別の事也扨如此何として機を信 |
J09_0691A07: | するそなれは先つ聖道は天子も我等も同し種姓にし |
J09_0691A08: | て段段に脩行して終には公方にも成ると自力を以て |
J09_0691A09: | 脩行する也故に他力を賴む意無き也淨土の意は我等 |
J09_0691A10: | は少しも力無き故に他力にて終には天子將軍にも成 |
J09_0691A11: | ること也爾るに如此凡夫は諸佛も捨玉ふ故に誰有 |
J09_0691A12: | て可濟人無し唯阿彌陀如來計り濟ひ玉ふ故に淨土 |
J09_0691A13: | の行人は隨分と惡をも止めん少しの罪をも造らは阿 |
J09_0691A14: | 彌陀如來の御心に不叶と思ひ懺悔して念佛し深く |
J09_0691A15: | 彌陀の本願を信せしめん爲に先つ自身の機を信する |
J09_0691A16: | なり誠に自身罪惡と信すること聖道門の中一切無き |
J09_0691A17: | こと也證定指授に非んは何そ此の妙釋有んや此の第 |
J09_0691B18: | 一の信にて聖淨二門の堺目か知るるなり可仰可信 |
J09_0691B19: | ○うたかひなくとは不取正覺と誓ひ給へは少しも疑 |
J09_0691B20: | 無く五逆の者迄も生すると信して吾心に毫髮も疑は |
J09_0691B21: | されとなり○おもんはかりとは心の内に兎や角やと |
J09_0691B22: | 思ふ也○乘してとは乘るなれは本願の船に乘りて往 |
J09_0691B23: | 生するに少しも疑有り慮有れは其船に乘せさるなり |
J09_0691B24: | 若し船を疑ひ船頭を疑ひて船に不乘終に彼岸には |
J09_0691B25: | 不著也○さためてとは决定の義也○十四丁斷善闡提と |
J09_0691B26: | は永不成佛の者也闡提此には無信と翻する也涅槃經 |
J09_0691B27: | には信不具と云ふ信謗ともに無き者也又不信因 |
J09_0691B28: | 果無有慙愧不信業報不見現在及未來世不 |
J09_0691B29: | 親善友不隨諸佛所説敎誡如是之人名闡提 |
J09_0691B30: | 大衆所問品德王品梵行品之意也此故に極惡とも翻する也西谷句解七之三十六丁頌義六之十六丁 |
J09_0691B31: | 此の者は一切善根を燒盡すれは斷善と云也面面とも |
J09_0691B32: | も此の類の如くなる者也斷善闡提は三種闡提の中の |
J09_0691B33: | 隨一なり玄記四之廿二丁頌義三之廿三丁可見○一念十念とは最後を擧 |
J09_0691B34: | けて平生を攝するなり○信心はをこるへきなりとは |