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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0651A01: なあさまし。いまはこの念佛むなしくなりぬと。お
J09_0651A02: ほしめす御事は。ゆめゆめ候ましく候。いかやうに
J09_0651A03: て申候とも。往生の業にて候へく候
J09_0651A04: 一百万遍の事。佛の願にては候はねとも。小阿彌陀
J09_0651A05: 經に。若一日。若二日。乃至七日念佛申人。極樂に
J09_0651A06: 生するととかれて候へは。七日念佛申へきにて候。
J09_0651A07: その七日の程のかすは。百萬遍にあたり候よし。人
J09_0651A08: 師釋して候へは。百萬遍は七日申へきにて候へと
J09_0651A09: も。堪候はさらん人は。八日九日なとにも申され候
J09_0651A10: へかし。されはとて百萬遍申ささらん人のむまるま
J09_0651A11: しきにては候はす。一念十念にてもむまれ候也。一
J09_0651A12: 念十念にてもむまれ候ほとの念佛とおもひ候うれし
J09_0651A13: さに。百萬遍の功德をかさぬるにて候なり
J09_0651A14: 一七分全得の事。仰のままに申けに候。さてこそ逆
J09_0651A15: 修はする事にて候へ。さ候へはのちの世をとふらひ
J09_0651A16: ぬへき人候はん人も。それをたのますして。われと
J09_0651A17: はけみて念佛申して。いそき極樂へまいりて。五通
J09_0651B18: 三明をさとりて。六道四生の衆生を利益し。父母師
J09_0651B19: 長の生所をたつねて。心のままにむかへとらんとお
J09_0651B20: もふへきにて候也。又當時日ことの御念佛をも。か
J09_0651B21: つかつ廻向しまいらせられ候へし。なき人のために
J09_0651B22: 念佛を廻向し候へは。阿彌陀ほとけひかりをはなち
J09_0651B23: て。地獄餓鬼畜生をてらし給ひ候へは。此三惡道に
J09_0651B24: しつみて苦をうくる者。そのくるしみやすまりて。
J09_0651B25: いのちをはりてのち。解脱すへきにて候。大經にい
J09_0651B26: はく。若在三塗勤苦之處見此光明皆得休息
J09_0651B27: 無復苦惱壽終之後皆蒙解脱といへり
J09_0651B28: 一本願のうたかはしき事もなし。極樂のねかはしか
J09_0651B29: らぬにてはなけれとも往生一定とおもひやられで。
J09_0651B30: とくまいりたき心のあさゆふは。しみしみともおほ
J09_0651B31: えすとおほせ候事。まことによからぬ御事にて候。淨
J09_0651B32: 土の法門を。きけともきかさるかことくなるは。こ
J09_0651B33: のたひ三惡道よりいてて。つみいまたつきさるもの
J09_0651B34: 也と。經にもとかれて候。又この世をいとふ御心う

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