ウィンドウを閉じる

J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0646A01: 念佛の行は。かの佛の本願の行にて候。持戒誦經誦
J09_0646A02: 咒理觀等の行は。かの佛の本願にあらぬをこなひに
J09_0646A03: て候へは。極樂をねかはん人は。まづかならす本
J09_0646A04: 願の念佛の行をつとめてうへに。もし異をこなひを
J09_0646A05: も念佛にしくはへ候はんとおもひ候はは。さもつか
J09_0646A06: まつり候。又たた本願の念佛はかりにても候べし。
J09_0646A07: 念佛をつかまつり候はて。たたことをこなひはかり
J09_0646A08: をして。極樂をねがひ候人は。極樂へもえむまれ候
J09_0646A09: はぬ事にて候よし 善導和尚のおほせられて候へ
J09_0646A10: は。但念佛か。决定往生の業にては候也。善導和尚
J09_0646A11: は。彌陀の化身にておはしまし候へは。それこそは
J09_0646A12: 一定にて候へと申にて候。又女犯と候は不媱戒の事
J09_0646A13: にこそ候なれ。又御きんだちなとのかんだうと候は
J09_0646A14: 不瞋戒のことにこそ候なれ。されは持戒の行は。佛
J09_0646A15: の本願にあらぬ行なれは。たへたらんにしたかひ
J09_0646A16: て。たもたせ給へく候。孝養の行も佛の本願にあら
J09_0646A17: す。たへんにしたがひて。つとめさせおはしますへ
J09_0646B18: く候。又あかかねの阿字の事も。をなしことに候。又
J09_0646B19: さくぢやうの事も。佛の本願にあらぬつとめにて
J09_0646B20: 候。とてもかくても候なん。又迎接の曼陀羅はたい
J09_0646B21: せちにをはしまし候。それもつきの事に候。ただ念
J09_0646B22: 佛を三萬。もしは五萬。もしは六萬。一心に申させ
J09_0646B23: おはしまし候はんそ。决定往生のをこなひにては候
J09_0646B24: こと善根は。念佛のいとまあらはの事に候。六萬遍
J09_0646B25: をだに申させ給はは。そのほかには。なに事をかは
J09_0646B26: せさせおはしますへき。まめやかに。一心に三萬五
J09_0646B27: 萬。念佛をつとめさせ給はば。少少戒行やぶれさせ
J09_0646B28: をはしまし候とも。往生はそれにはより候ましきこ
J09_0646B29: とに候。ただしこの中に孝養の行は。佛の本願の行
J09_0646B30: にては候はねとも。八十九にておはしまし候なり。
J09_0646B31: あひかまへてことしなとをは。まちまいらせさせ。
J09_0646B32: おはしませかしとをほえ候。あなかしこあなかしこ
J09_0646B33: 五月二日 源 空御自筆也
J09_0646B34: ある時の御返事

ウィンドウを閉じる