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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0512A01: こらふましからん。禪定智惠を修せんよりは。利益
J09_0512A02: 現在して。しかもそこばくのほとけたち。證誠し給
J09_0512A03: へる彌陀の名號を稱念すべき也。又後世者の中に。
J09_0512A04: 極樂はあさく。彌陀はくだれり。期するところ蜜嚴
J09_0512A05: 華藏の世界なりと。心をかくる人も侍るにや。それ
J09_0512A06: はなはたおほけなし。かの土は斷無明の菩薩のほか
J09_0512A07: はいる事なし。又一向專修の念佛門にいりて。日別
J09_0512A08: に三萬遍もしは五万遍。六万遍。乃至十万遍なと稱
J09_0512A09: ふといふとも。これをつとめをはりなんのち。年來受
J09_0512A10: 持讀誦の功つもりたる諸經をもよみたてまつらで
J09_0512A11: は。つみになるべきかと不審をなすともがらもあ
J09_0512A12: り。それはいかでかつみになるべきにては侍るべき。
J09_0512A13: 末代の衆生。その行成就しかたきによりて。まづ彌
J09_0512A14: 陀の願力に乘して。念佛往生をとげてのち。淨土に
J09_0512A15: て阿彌陀如來。觀音勢至にあひたてまつりて。もろ
J09_0512A16: もろの聖敎をも學し。さとりをもひらくへきなり。
J09_0512A17: 又末代の衆生念佛をもはらにすべき事。その釋おほ
J09_0512B18: かろ中に。觀經の疏の第三に。善導釋しての給は
J09_0512B19: く。自餘衆行雖名是善若比念佛全非比挍也
J09_0512B20: 是故諸經中處處廣讃念佛功能如無量壽經四十八
J09_0512B21: 願中唯明專念彌陀名號得生又如彌陀經中一
J09_0512B22: 日七日專念彌陀名號得生又十方恒沙諸佛證誠不
J09_0512B23: 虚也又此經定散文中唯標專念名號得生此例非
J09_0512B24: 一也廣顯念佛三昧竟とあり。又善導の往生禮讃
J09_0512B25: の中の。專修雜修の文等にも。雜修のものは。往生を
J09_0512B26: うる事千が中に一二なをかたし專修のものは。百は
J09_0512B27: 即百なからむまるといへり。これらは何事もその門
J09_0512B28: にいりなんには。一向にもはら他の心あるへからざ
J09_0512B29: るゆへなり。たとへは今生にも主君につかへ。人を
J09_0512B30: あひたのむみち。他人に心さしをわくると一向にあ
J09_0512B31: ひたのむと。ひとしからざる事也。ただし家ゆたか
J09_0512B32: にして。のり物僮僕もかなひ。面面に心さしをいた
J09_0512B33: すちからもたへたるともからは。かたかたに心さし
J09_0512B34: をわくといへとも。その功むなしがらず。かくのご

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