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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0504A01: 名號を念して。かならすむまるる事をうととけり。こ
J09_0504A02: れを六方恒沙の諸佛。釋迦佛におなしく。これを證誠
J09_0504A03: し給へり。しかるにいま釋迦の説にそむきて往生せ
J09_0504A04: すといふ。かるがゆへにしりぬ。これまことのほと
J09_0504A05: けにあらす。天魔の變化なり。この義をもてのゆへ
J09_0504A06: に。佛菩薩の説なりとも信すへからす。いかにい
J09_0504A07: はんや餘説をや。なんちか執するところの經論大小
J09_0504A08: ことなりといへとも。みな佛果を期する穢土の修行。
J09_0504A09: 聖道門の意なり。われらか修するところは。正雜不
J09_0504A10: 同なれとも。ともに極樂をねかふ。徃生の行業。淨
J09_0504A11: 土門の意なり。聖道門はこれ汝が有縁の行。淨土門
J09_0504A12: はこれわれらが有縁の行。これをもてかれを難すへ
J09_0504A13: からす。かれをもてこれを難すへからず。かくのこ
J09_0504A14: とく。信ずるものをば。就人立信となづく。つきに行
J09_0504A15: につきて信をたつといふは。往生極樂の行まちまち
J09_0504A16: なりといへども二種をばいです。一には正行。二に
J09_0504A17: は雜行也。正行といふは。阿彌陀佛にをきて。した
J09_0504B18: しき行なり。雜行といふ阿彌陀佛にをきてうとき行
J09_0504B19: なり。まづ正行といふは。是につきて五あり。一に
J09_0504B20: はいはく讀誦。いはゆる三部經をよむなり。二には
J09_0504B21: 觀察。いはゆる極樂の依正を觀する也。三には禮
J09_0504B22: 拜。いはゆる阿彌陀佛を禮拜する也。四には稱名。
J09_0504B23: いはゆる彌陀の名號を稱する也。五には讃嘆供養。
J09_0504B24: いはゆる阿彌陀佛を讃嘆し供養する也。この五を
J09_0504B25: もてあはせてく二とす。一には一心にもはら彌陀の
J09_0504B26: 名號を念して。行住坐臥に時節の久近をとはず。念
J09_0504B27: 念にすてざる。これを正定業となづく。かのほとけ
J09_0504B28: の願に順するがゆへに二にはさきの五が中に。第四
J09_0504B29: の稱名をのぞひてほかの禮拜讀誦等をみな助業とな
J09_0504B30: づく。つきに雜行といふは。さきの五種の正助二
J09_0504B31: 業をのぞきて已外の。もろもろの讀誦大乘發菩提
J09_0504B32: 心持戒勸進等の一切の行なり。此正雜二行につきて
J09_0504B33: 五種の得失あり。一には親疎對。いはゆる正行は阿
J09_0504B34: 彌陀佛にしたしく雜行はうとし。二には近遠對。い

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