浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J09_0500A01: | てやむ事なき聖人も。念佛に不足のをもひなして。 |
| J09_0500A02: | 餘行をましえ申さんにをきては。佛の來迎にあづか |
| J09_0500A03: | らん事。千人が中に一人。萬人が中に五三人なとや |
| J09_0500A04: | 候はんすらん。それも善導和尚は千中無一とをほせ |
| J09_0500A05: | られて候へば。いかがあるべく候らんとをほえ候。 |
| J09_0500A06: | をよそ阿彌陀佛の本願と申す事はやうもなく。わか |
| J09_0500A07: | 心をすませとにもあらず。不淨の身をきよめよとに |
| J09_0500A08: | もあらず。ただねてもさめても。ひとすぢに御名をと |
| J09_0500A09: | なふる人をは。臨終にはかならずきたりてむかへ給 |
| J09_0500A10: | ふなるものをといふ心に住して申せは。一期のをは |
| J09_0500A11: | りには。佛の來迎にあづからん事うたがひあるべか |
| J09_0500A12: | らず。わか身は女人なれは。又在家のものなればと |
| J09_0500A13: | いふ事なく往生は一定とおほしめすべき也。問てい |
| J09_0500A14: | はく。心のすむ時の念佛と。妄心の中の念佛と。そ |
| J09_0500A15: | の勝劣いかむ 答ていはく。その功德ひとしくし |
| J09_0500A16: | て。あへて差別なし。疑ていはく。この條なほ不審 |
| J09_0500A17: | なり。そのゆへは。心のすむ時の念佛は。餘念もな |
| J09_0500B18: | く一向極樂世界の事のみ。おもはれ。彌陀の本願 |
| J09_0500B19: | のみ案せらるるがゆへに。ましふるものなければ。 |
| J09_0500B20: | 淸淨の念佛なり。心の散亂する時は。三業不調にし |
| J09_0500B21: | て。口には名號をとなへ。手には念珠をまはすばか |
| J09_0500B22: | りにてはこれ不淨の念佛也。いかてかひとしるべ |
| J09_0500B23: | き。答ていはく。このうたかひをなすは。いまた本 |
| J09_0500B24: | 願のゆへをしらざるなり。阿彌陀佛は惡業の衆生を |
| J09_0500B25: | すくはんために。生死の大海に弘誓のふねをうかへ |
| J09_0500B26: | 給へる也。たとへはおもき石。かろきあさからをひ |
| J09_0500B27: | とつふねにいれて。むかひのきしにとづくがこと |
| J09_0500B28: | し。本願の殊勝なることは。いかなる衆生も。ただ |
| J09_0500B29: | 名號をとなふるほかは。別の事なき也 問ていは |
| J09_0500B30: | く。一聲の念佛と。十聲の念佛と。功德の勝劣いか |
| J09_0500B31: | む 答ていはく。ただおなし事也 疑ていはく。こ |
| J09_0500B32: | の事又不審なり。そのゆへは。一聲十聲すてにかず |
| J09_0500B33: | の多少あり。いかてかひとしかるべきや 答一聲十 |
| J09_0500B34: | 聲と申す事は最後の時の事なり。死する時一聲申す |