浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0485A01: | 熾盛心と意得て。勇猛強盛の心ををこすを。至誠心 |
J09_0485A02: | と申すは。此釋の心にはたかふ也。文字もかはり。意 |
J09_0485A03: | もかはりたるものを。されはとてその猛利の心は。 |
J09_0485A04: | すへて至誠心をそむくと申にはあらず。それは至誠 |
J09_0485A05: | 心のうへの。熾盛心にてこそあれ。眞實の至誠心を |
J09_0485A06: | 地にして。熾盛なるはすぐれ。熾盛ならぬはおとる |
J09_0485A07: | にてある也。是につきて九品の差別まてもこころう |
J09_0485A08: | べき也。されは善導の觀經の疏に九品の文を釋する |
J09_0485A09: | 下に。一一の品ことに。辨定三心以爲正因とさため |
J09_0485A10: | て。此三心は九品に通すべしと釋し給へり。惠心も |
J09_0485A11: | 是をひきて。禪師の釋のこときは。理九品に通すへ |
J09_0485A12: | しとこそはしるされたれ。此三心の中の至誠心なれ |
J09_0485A13: | は。至誠心すなはち九品に通すへき也。又至誠心 |
J09_0485A14: | は。深心と廻向發願心とを體とす。この二をはなれ |
J09_0485A15: | ては。なにによりてか。至誠心をあらはすへき。ひ |
J09_0485A16: | ろくほかをたつぬへきにあらす。深心も廻向發願心 |
J09_0485A17: | もまことなるを至誠心とはなつくる也。三心すてに |
J09_0485B18: | 九品に通すへしと意えてのうへには。その差別のあ |
J09_0485B19: | るやうをこころうるに。三心の淺深強弱によるへき |
J09_0485B20: | 也。かるかゆへに上品上生には。經に。精進勇猛な |
J09_0485B21: | かるかゆへにととき。釋には日數すくなしといへと |
J09_0485B22: | も。作業はげしきかゆへにといへり。又上品中生を |
J09_0485B23: | は。行業ややよはくしてと釋し。上品下生をは。行 |
J09_0485B24: | 業こわからすなと釋せられたれは。三心につきて。 |
J09_0485B25: | こわきもよはきもあるへしとこそこころえられた |
J09_0485B26: | れ。よはき三心具足したん人は。くらゐこそさから |
J09_0485B27: | んすれ。なを往生はうたかふべからさる也。それに |
J09_0485B28: | 強盛の心ををこさすは。至誠心かけて。ながく往生 |
J09_0485B29: | すへからすと意えて。みだりに身をもくだし。あま |
J09_0485B30: | さへ人をもかろしむる人ひとの不便におぼゆる也。 |
J09_0485B31: | さらなり強盛の心のをこらんはめてたき事なり。善 |
J09_0485B32: | 導の十德の中に。はしめの至誠念佛の德をいだすに |
J09_0485B33: | も。一心に念佛してちからのつくるにあらされはや |
J09_0485B34: | ます。乃至寒冷にもまたあせをなかす。この相狀を |