浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0481A01: | 往生大要抄 |
J09_0481A02: | いまわか淨土宗には。二門をたてて釋迦一代の説敎 |
J09_0481A03: | をおさむるなり。いはゆる聖道門。淨土門なり。は |
J09_0481A04: | しめ花嚴阿含より。をはり法花涅槃にいたるまで。 |
J09_0481A05: | 大小乘の一切の諸經にとくところの。この娑婆世界 |
J09_0481A06: | にありなから。斷迷開悟のみちを。聖道門とは申す |
J09_0481A07: | なり。是につきて大乘の聖道あり。小乘の聖道あ |
J09_0481A08: | り。大乘に二あり。即佛乘と。菩薩乘と也。小乘に |
J09_0481A09: | 二あり。即聲聞と。縁覺との二乘なり。これをすへ |
J09_0481A10: | て四乘となつく。佛乘とは即身成佛の敎なり。眞言 |
J09_0481A11: | 達磨天台花嚴等の四宗にあかすところなり。すなは |
J09_0481A12: | ち眞言宗には。父母所生身速證大覺位と申して。こ |
J09_0481A13: | の身なから。大日如來のくらいにのほるとならふ |
J09_0481A14: | 也。佛心宗には。前佛後佛以心傳心とならひて。た |
J09_0481A15: | たちに人の心をさしてほとけと申なり。かるがゆへ |
J09_0481A16: | に即心是佛の法となつけて。成佛とは申さぬなり。 |
J09_0481A17: | この法は釋尊入滅の時涅槃經をときをはりてのち。 |
J09_0481B18: | たた一偈をもちて迦葉尊者に付囑し給へる法なり。 |
J09_0481B19: | 天台宗には。煩惱即菩提。生死即涅槃と觀して。觀 |
J09_0481B20: | 心にてほとけになるとならふ也。八歳の龍女か南方 |
J09_0481B21: | 無垢世界にして。すみやかに正覺をなりしその證 |
J09_0481B22: | なり。花嚴宗には。初發心時便成正覺とて。また即身 |
J09_0481B23: | 成佛とならふなり。これらの宗にはみな即身頓證の |
J09_0481B24: | むねをのぶれは。佛乘となつくる也。つきに菩薩乘 |
J09_0481B25: | といは。歷劫修行成佛の敎なり。三論法相の二宗に |
J09_0481B26: | ならふところなり。すなはち三論宗には。八不中道 |
J09_0481B27: | の無相の觀に住して。しかも心には四弘誓願ををこ |
J09_0481B28: | し。身には六波羅蜜を行して。三阿僧祇に菩薩の行 |
J09_0481B29: | を修してのちほとけになると申す也。法相宗には。 |
J09_0481B30: | 五重唯識の觀に住して。しかも四弘ををこし。六度 |
J09_0481B31: | を行して三祇劫をへて。佛になると申す也。これら |
J09_0481B32: | を菩薩乘となつく。つきに縁覺乘といは。飛花落葉 |
J09_0481B33: | を見て。ひとり諸法の無常をさとり。あるひは十二因 |
J09_0481B34: | 縁を觀して。ときは四生。をそきは百劫にさとりを |