浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0477A01: | の臣下なりしが。同じく菩提心ををこして。われか |
J09_0477A02: | ならす穢土にして正覺をなりて。惡業の衆生を引導 |
J09_0477A03: | せんとちかひ給ひてこの願ををこし給へる也。曠劫 |
J09_0477A04: | よりこのかた諸佛出世して。縁にしたかひ機をはか |
J09_0477A05: | りて。をのをの衆生を化度し給ふ事。かづ塵沙にす |
J09_0477A06: | きたり。あるひは大乘をとき。小乘をとき。あるひ |
J09_0477A07: | は實敎をひろめ。權敎をひろむ。有縁の機はみなこ |
J09_0477A08: | とことくその益をう。ここに釋尊八相成道を五濁惡 |
J09_0477A09: | 世にとなへて。放逸邪見の衆生の出離その期なきを |
J09_0477A10: | あはれみて。これより西に極樂世界あり。佛ましま |
J09_0477A11: | す阿彌陀となづけたてまつる。この佛は乃至十念若 |
J09_0477A12: | 不生者不取正覺とちかひ給ひて。佛になり給へり。 |
J09_0477A13: | すみやかに念せよ。出離生死のみちをほしといへと |
J09_0477A14: | も。惡業煩惱の衆生の。とく生死をはなるる事。こ |
J09_0477A15: | の門にすぎたるはなしとをしへて。ゆめゆめうたか |
J09_0477A16: | ふ事なかれ。六方恒沙の諸佛も證誠し給ふなりと。 |
J09_0477A17: | ねんころにをしへ給ひて。われもしひさしく穢土に |
J09_0477B18: | あらは。邪見放逸の衆生。われをそしりわれをそむ |
J09_0477B19: | きて。かへりて惡道におちなん。濁世にいでたる事 |
J09_0477B20: | は。本意たたこの事を衆生にきかしめんかためなり |
J09_0477B21: | とて。阿難尊者に。なんちよくこの事を遐代に流通 |
J09_0477B22: | せよとねんころに約束しをきて。跋提河のほとり。 |
J09_0477B23: | 沙羅林のもとにして。八十の春の天。二月十五の夜 |
J09_0477B24: | 半に。頭北面西にして滅度に入給ひき。その時に日 |
J09_0477B25: | 月ひかりをうしなひ。草木いろを變し。龍神八部禽 |
J09_0477B26: | 獸鳥類にいたるまて。天にあふきてなき。地にふし |
J09_0477B27: | てさけふ。阿難目連等のもろもろの大弟子等。悲泣 |
J09_0477B28: | のなみたををさへてあひ議していはく。釋尊の恩に |
J09_0477B29: | なれたてまつりて。そこはくの春秋ををくりき。化 |
J09_0477B30: | 縁ここにつきて。黄金のはだへたちまちにへたたり |
J09_0477B31: | 給ひぬ。あるひはわれら世尊に問たてまつるに答へ |
J09_0477B32: | 給へる事もあり。あるひは釋尊みつから告給ふ事も |
J09_0477B33: | ありき。濟度利生の方便。いまはたれにむかひてか |
J09_0477B34: | 問たてまつるべき。すべからく如來の御ことはをし |