ウィンドウを閉じる

J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0471A01: 因位の時。もはらわが名號を念せんものをむかへん
J09_0471A02: とちかひ給ひて。兆載永劫の修行を衆生に廻向し給
J09_0471A03: ふ。濁世のわれらが依怙。末代の衆生の出離。これ
J09_0471A04: にあらずはなにをか期せんや。これによてかのほと
J09_0471A05: けも。みつから我建超世願となのり給へり。三世の
J09_0471A06: 諸佛も。いまたかくのこときの願をはをこし給は
J09_0471A07: す。十方の薩埵もいまたこれらの願はましまさす。
J09_0471A08: 斯願若尅果大千應感動虚空諸天人當雨珍妙花とちか
J09_0471A09: ひしかば。大地六種に震動し。天より花ふりて。な
J09_0471A10: んぢまさに正覺なり給ふへしとつけたりき。法藏比
J09_0471A11: 丘いまた成佛し給はすとも。この願うたがふへから
J09_0471A12: す。いかにいはんや成佛已後十劫になり給へり。信
J09_0471A13: ぜすはあるへからす。彼佛今現在世成佛當知本誓
J09_0471A14: 重願不虚衆生稱念必得往生と釋したまへるはこ
J09_0471A15: れなり。諸有衆生聞其名號信心歡喜乃至一念至
J09_0471A16: 心廻向願生彼國即得往生住不退轉唯除五
J09_0471A17: 逆誹謗正法これは即第十八の願成就の文なり。
J09_0471B18: 願には乃至十念ととくといへとも。まさしく願成就
J09_0471B19: の中には。一念にありとあかせり。又次に三輩往生の
J09_0471B20: 文あり。これは第十九の臨終現前の願成就の文な
J09_0471B21: り。發菩提心等の業をもて三輩をわかつといへと
J09_0471B22: も。往生の業は通してみな一向專念無量壽佛といへ
J09_0471B23: り。これすなはちかのほとけの本願なるかゆへ也。
J09_0471B24: また其佛本願力聞名欲往生皆悉到彼國自致不
J09_0471B25: 退轉といふ文あり。漢朝に玄通律師といふものあ
J09_0471B26: りき。小戒をたもてるものなり。遠行て野寺に宿
J09_0471B27: したりけるに。隣房に人ありてこの文を誦す。玄通
J09_0471B28: これをききて一兩遍誦してのち。をもひいだす事も
J09_0471B29: なくてわすれにけり。そののちこの玄通律師戒をや
J09_0471B30: ふれり。そのつみによて閻魔の廳にいたる時。閻魔
J09_0471B31: 法王の給はく。なんぢ佛法流布のところにむまれた
J09_0471B32: りき。所學の法あらばすみやかにとくへしとて。高
J09_0471B33: 座にのぼせ給ひき。その時玄通高座にのぼりておも
J09_0471B34: ひめくらすに。すへて心におほゆる事なし。野寺に

ウィンドウを閉じる