浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0309A01: | をすすむる爲なり。依て觀念法門に。欲命終時。 |
J09_0309A02: | 病人若見前境聖衆來迎即向看病人説とあり。大師の |
J09_0309A03: | 平生に秘し。臨終に語らせ玉ふこと。佛敎祖釋を。守 |
J09_0309A04: | り玉ふことを見つべし。大師の御行儀は。我人の龜鏡 |
J09_0309A05: | なれば能能心得置くべきことなり。 |
J09_0309A06: | 廿日巳の時四時に。御庵室の上に紫雲そびく。其中に |
J09_0309A07: | 圓形の雲あり。其色五色にして。圖繪の佛の圓光の |
J09_0309A08: | 如し。路次往返の人。處處にして是を見る。御弟子 |
J09_0309A09: | 方此上に紫雲たなびく。御往生の近づき給へるかと。 |
J09_0309A10: | 申上られければ。大師の仰に。あはれなる哉や。我 |
J09_0309A11: | 往生は一切衆生の爲なり。念佛の信を取しめんが爲 |
J09_0309A12: | に。瑞相現ずるなりと。 |
J09_0309A13: | 此大師の。我往生は一切衆生の爲と。仰られたる御 |
J09_0309A14: | 詞。誠に骨髓に徹して。難有貴きことなり。大師の |
J09_0309A15: | 御臨末に。斯數數瑞相の現ずることは。何故ぞと云 |
J09_0309A16: | に。御開創の淨土の法門。彌陀如來の本願に契ひ。 |
J09_0309A17: | 釋尊の所説に契ひ。六方恒沙の諸佛の。御本意に契 |
J09_0309B18: | ふ。故に斯る瑞相の現じたるなり。此瑞相が。則大 |
J09_0309B19: | 師の敎へに隨ひ奉る。行者の往生ゆるぎなひと云。 |
J09_0309B20: | 證據になる故。念佛の信を取しめんが爲に。瑞相現 |
J09_0309B21: | ずる。との玉へるなり。 |
J09_0309B22: | 又同き日の廿日未の刻八時に至りて。大師空を見あげて。 |
J09_0309B23: | 目しばらくもまじろぎ給はざること。五六反計。看病 |
J09_0309B24: | の人人あやしみて。佛の來り玉へるかと。尋ね申せ |
J09_0309B25: | ば爾なりと。答へ給ふ。 |
J09_0309B26: | 又廿四日の午の時九時に。紫雲大にたなびく。西山の |
J09_0309B27: | 水の尾の愛宕山の西南にあたる梺峯に。炭燒く輩十餘人是を見て |
J09_0309B28: | 告來る。又廣隆寺太秦より下向しける禪尼も。途中に |
J09_0309B29: | して是を見て。たづね來りて。此由を申す。見聞の |
J09_0309B30: | 諸人。隨喜せずと云ことなし |
J09_0309B31: | 廿三日よりは。源智上人の願に依て。正しく御遺誓を記し。與へ玉へる日なり。大師の御 |
J09_0309B32: | 念佛。或は半時。或は一時。高聲念佛不退なり。 |
J09_0309B33: | 廿四日の酉の刻六時より。廿五日の巳の時四時に至る迄 |
J09_0309B34: | は。高聲の念佛無間なり。御弟子五六人。かはるかはる |