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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0309A01: をすすむる爲なり。依て觀念法門に。欲命終時。
J09_0309A02: 病人若見前境聖衆來迎即向看病人説とあり。大師の
J09_0309A03: 平生に秘し。臨終に語らせ玉ふこと。佛敎祖釋を。守
J09_0309A04: り玉ふことを見つべし。大師の御行儀は。我人の龜鏡
J09_0309A05: なれば能能心得置くべきことなり。
J09_0309A06: 廿日巳の時四時に。御庵室の上に紫雲そびく。其中に
J09_0309A07: 圓形の雲あり。其色五色にして。圖繪の佛の圓光の
J09_0309A08: 如し。路次往返の人。處處にして是を見る。御弟子
J09_0309A09: 方此上に紫雲たなびく。御往生の近づき給へるかと。
J09_0309A10: 申上られければ。大師の仰に。あはれなる哉や。我
J09_0309A11: 往生は一切衆生の爲なり。念佛の信を取しめんが爲
J09_0309A12: に。瑞相現ずるなりと。
J09_0309A13: 此大師の。我往生は一切衆生の爲と。仰られたる御
J09_0309A14: 詞。誠に骨髓に徹して。難有貴きことなり。大師の
J09_0309A15: 御臨末に。斯數數瑞相の現ずることは。何故ぞと云
J09_0309A16: に。御開創の淨土の法門。彌陀如來の本願に契ひ。
J09_0309A17: 釋尊の所説に契ひ。六方恒沙の諸佛の。御本意に契
J09_0309B18: ふ。故に斯る瑞相の現じたるなり。此瑞相が。則大
J09_0309B19: 師の敎へに隨ひ奉る。行者の往生ゆるぎなひと云。
J09_0309B20: 證據になる故。念佛の信を取しめんが爲に。瑞相現
J09_0309B21: ずる。との玉へるなり。
J09_0309B22: 又同き日の廿日未の刻八時に至りて。大師空を見あげて。
J09_0309B23: 目しばらくもまじろぎ給はざること。五六反計。看病
J09_0309B24: の人人あやしみて。佛の來り玉へるかと。尋ね申せ
J09_0309B25: ば爾なりと。答へ給ふ。
J09_0309B26: 又廿四日の午の時九時に。紫雲大にたなびく。西山の
J09_0309B27: 水の尾の愛宕山の西南にあたる梺峯に。炭燒く輩十餘人是を見て
J09_0309B28: 告來る。又廣隆寺太秦より下向しける禪尼も。途中に
J09_0309B29: して是を見て。たづね來りて。此由を申す。見聞の
J09_0309B30: 諸人。隨喜せずと云ことなし
J09_0309B31: 廿三日よりは。源智上人の願に依て。正しく御遺誓を記し。與へ玉へる日なり。大師の御
J09_0309B32: 念佛。或は半時。或は一時。高聲念佛不退なり。
J09_0309B33: 廿四日の酉の刻六時より。廿五日の巳の時四時に至る迄
J09_0309B34: は。高聲の念佛無間なり。御弟子五六人。かはるかはる

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