浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J09_0057A01: | ば。權化のよしを顯はし玉はんこと。驚くにたらず。 |
J09_0057A02: | 勢觀まのあたり此不思議を感見せられける故に。大 |
J09_0057A03: | 師遷化の後は。加茂の社壇近く居をしめて。常に參 |
J09_0057A04: | 詣をなんせられける。勢觀房一期の行狀は。ただ隱 |
J09_0057A05: | 遁を好み。自行を本とす。自ら法談など始められて |
J09_0057A06: | も。所化五六人より多くなれば。魔縁きほひなん。 |
J09_0057A07: | ことごとしとて。とどめられなどぞしける。生年五十 |
J09_0057A08: | 六。曆仁元年十二月十二日。頭北面西にして。念佛二 |
J09_0057A09: | 百餘遍。最後には。陀佛の二字ばかり聞えて。息絶 |
J09_0057A10: | 玉ひにけり。功德院加茂神宮堂也の廊にて終り玉ふに。佛 |
J09_0057A11: | 前より異香熏じて。臨終の處にいたる。その一筋の匂 |
J09_0057A12: | ひ數日消えざるなりと。已上勅修吉水御傳に載せら |
J09_0057A13: | る。御遺誓の縁起かくの如し。然るに吉水の御門弟 |
J09_0057A14: | 多かる中に。わきて鎭西と。勢觀と。同じ法語の付囑 |
J09_0057A15: | を受られけるは。顧ふに宿世の御契なるべし。其故 |
J09_0057A16: | は勢觀房は。先師念佛の義道を。たがへず申す人は。 |
J09_0057A17: | 鎭西の聖光房なりとて。常に隨喜讚歎せられけると |
J09_0057B18: | かや。嘉禎三年九月廿一日。鎭西に贈られける狀に |
J09_0057B19: | 云く |
J09_0057B20: | 相互不見參候。年月多積候于今存命。今一度見參。 |
J09_0057B21: | 今生難有覺候。哀候者歟。抑先師念佛之義。末流 |
J09_0057B22: | 濁亂。義道不似昔。不可説候。御邊一人。正義傳持 |
J09_0057B23: | 之由承及候。返返本懷候。喜悅無極。思給候。必遂 |
J09_0057B24: | 往生。可期引導値遇縁候者也。以便宜捧愚札。 |
J09_0057B25: | 御報何日拜見哉。他事短筆難盡候。云云。其後文 |
J09_0057B26: | 永の頃聖光房附法の弟子良忠上人と。勢觀房附弟蓮 |
J09_0057B27: | 寂房と。東山赤筑地にて。四十八日の談義を始めし |
J09_0057B28: | 時。良忠上人を讀口として。兩流を挍合せられける |
J09_0057B29: | に。一として違する所なかりければ。蓮寂房の云。 |
J09_0057B30: | 日頃勢觀房の申されし事。今既に符合しぬ。予が門 |
J09_0057B31: | 弟に於ては。鎭西相傳を以て我義とすべし。さらに別 |
J09_0057B32: | 流を立つべからずと。是に依てかの勢觀房の門流は。 |
J09_0057B33: | 皆鎭西の義に依附して別流をたてずとぞ。これに |
J09_0057B34: | よりて思ふに。わきて此兩人に。肝要の同じ法語を |