浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0019A01: | づ此段に。觀念の念にもあらずと書玉ひて。總じて口 |
J09_0019A02: | 稱にあらざる心念の念佛をば。他宗と背宗と邪正は |
J09_0019A03: | 異なれども。みな觀念の内に攝めて。ことごとく。そ |
J09_0019A04: | れにはあらずと揀び盡し玉へり。次に安心と云は。 |
J09_0019A05: | 稱名の心遣なり。これにまた學解の安心と。信願の |
J09_0019A06: | 安心との紛あり。その中に本願念佛の安心は。唯た |
J09_0019A07: | すけたまへと思て。疑なく往生するぞと思取までの。 |
J09_0019A08: | 無解信願の安心なりと云事を。决定せられん爲に。ま |
J09_0019A09: | づ此段に。學問をして念の心を解りて申すにもあら |
J09_0019A10: | ずと書玉ひて。總じて。信願にあらざる學解の安心 |
J09_0019A11: | をば。他宗と背宗と邪正は異なれども。みな念の心を |
J09_0019A12: | さとる學解の内に攝めて。ことごとく。それにはあ |
J09_0019A13: | らずと。揀び盡し給へり。是より段段正宗にも流通 |
J09_0019A14: | にも。みなこの起行と安心とを。くり返して决判し |
J09_0019A15: | たまへり。心をとどめて。こまかに全篇を窺がふべ |
J09_0019A16: | し。 |
J09_0019A17: | 問て云く。いかなる御意なれば。初より安心起行の |
J09_0019B18: | 正義を直に示し玉はず。まづ他人背徒の安心起行を |
J09_0019B19: | ば揀び玉ふぞや。答て云く大師御在世の時他宗の學 |
J09_0019B20: | 者の中に。ひそかに暗推を回らす人出できて。大師も |
J09_0019B21: | 眞實には觀念理持の甚深なる念佛をこそ。本意と思 |
J09_0019B22: | しめされしかども。それに叶はざる無智の劣機を愍 |
J09_0019B23: | れみて。せめて佛縁をも結ばしめん爲に。しばらく。 |
J09_0019B24: | かろき稱名。あさき安心をば勸め玉へり。これ大師 |
J09_0019B25: | のかりの方便なり。順次往生の正義にはあらずと云 |
J09_0019B26: | ふ邪推の義を談じて。無智の男女に大師の御心を疑 |
J09_0019B27: | はしめたりと聞ゆめり。御在世の時にだにも。かく |
J09_0019B28: | 侍りければ。滅後はさこそと。なげき思しめされし |
J09_0019B29: | 故に。まづ此段にかの他宗の立つる觀念の念佛と學 |
J09_0019B30: | 解の安心とを擧げて。それにはあらずと揀びすてて。 |
J09_0019B31: | 次の段に。御心中の願行相續の稱名の正義を示し。 |
J09_0019B32: | 更に御誓言を加へて。觀念理持の念佛は。淨土宗の |
J09_0019B33: | 本意にはあらずと云ふ。意を示して。男女の膽を慥 |
J09_0019B34: | に定め玉へるなり。又御在世の時。御門弟の中に。 |