浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0342A01: | ち理とも云ひ。諸法卽レ理とも云ふゆへ。六卽の卽に |
Z14_0342A02: | も。能卽所卽ありと。云ふなり。是れ則ちそのまゝと |
Z14_0342A03: | 云ふは。卽の言にて。畢竟同じことなるゆへなり。そ |
Z14_0342A04: | のまゝと云ふも。ものゝ分れたるより。出る言なり。 |
Z14_0342A05: | 波が。そのまゝ水と云にて。知れたり。北峰敎義一の廿四 |
Z14_0342A06: | 云。六卽能所者。四明指要則曰。凡言二諸法卽理一者。全レ |
Z14_0342A07: | 用卽體。方可レ言レ卽。又妙宗云。六種卽名。皆是事理體 |
Z14_0342A08: | 不二義。而迷逆事。與二其覺理一。未二始暫乖一。故名二卽佛一。 |
Z14_0342A09: | 又障卽佛。其名猶通。以三後五人。皆云二三障卽是佛一故。 |
Z14_0342A10: | 文四明之義。以二事用諸法一爲二能卽一。理體諸法爲二所卽一。 |
Z14_0342A11: | 德障言レ之。三障爲二能卽一。三德爲二所卽一。並合二祖師諸文一。 |
Z14_0342A12: | 今不二備引一。略明二二義一。一通論。事造三障諸法爲二能卽一。 |
Z14_0342A13: | 以二皆理具無一レ不レ卽故。二別論。事中一念自心爲二能卽一。 |
Z14_0342A14: | 以下從二近要一易上レ成レ觀故。此皆四明宗旨。云云 諸文處處 |
Z14_0342A15: | 有二此兩義一。更不二引證一。而草庵ノ諸師。局ルハ二唯一念一。違二 |
Z14_0342A16: | 大義一也。右摘欺の三處を。辨ずるにて。彼の人。學問 |
Z14_0342A17: | 麤くて。聞へぬこと。無理なること。麤忽なること。相 |
Z14_0342B01: | 違せること。見識なきこと。道理に昩きこと。能く知 |
Z14_0342B02: | れたれば。彼の說の前後始終。皆な此通りなるべし。 |
Z14_0342B03: | 老衰甚だしきゆへ。逐一には。辨ぜぬなり。初學自ら |
Z14_0342B04: | 能く辨明し玉へ。 |
Z14_0342B05: | 享保十四年四月中旬書付さす。 |
Z14_0342B06: | 老苾芻光謙 行年七十八 |
Z14_0342B07: | 一然れば。卽心とは。心をそのまゝにしてと讀むべ |
Z14_0342B08: | し。又そのまゝなる心にてと云ふことなり。此の點。 |
Z14_0342B09: | 最前は。見馴れ。聞き馴れぬ。合點の行かぬ點なれど |
Z14_0342B10: | も。聞ゆることも。あるべきかと思ひて。難ぜざりき。 |
Z14_0342B11: | 跡に。能く思ふて見れば。思ふて見る程。聞へぬ點。譯 |
Z14_0342B12: | もなきことなり。心を其まゝにして。念佛すとは。何 |
Z14_0342B13: | としたる義なりや。色卽是空。空卽是色抔の。色が其 |
Z14_0342B14: | まゝ空。空が其まゝ色と云ふは。聞へたることなる |
Z14_0342B15: | が。心を其まゝにして。佛を念ずとは。何としたるこ |
Z14_0342B16: | とぞや。其まゝと云ふは。手をつけず。本の通りと。云 |
Z14_0342B17: | ふ義なれば。此點にては。生れ付たる心の通りにて。 |