浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0180A01: | 故。分明に返答することはならず。因て妙宗鈔にと云 |
Z14_0180A02: | より下の云分と。略して牒し。前に段段云が如しと。 |
Z14_0180A03: | 紛らかして。しまはるゝは。甚だ聞えぬことなり。今 |
Z14_0180A04: | 創に云るゝ二筋を出すに。四十八葉の左に。彼人は一 |
Z14_0180A05: | 心三觀は。佛智なるゆへに。初心より絕待の妙觀を修 |
Z14_0180A06: | すと云。一通り計りを覺て。住前觀智。皆名爲レ情光明玄記上百 |
Z14_0180A07: | 十八と云一通りを。夢にも知られぬゆへ。譯の聞へぬこ |
Z14_0180A08: | とを云るゝなり。右の二筋の融會は。一家の學者の能 |
Z14_0180A09: | く明らめずして。叶はぬことなれども。彼人は曾て知 |
Z14_0180A10: | られず。知れたらば。云るべけれども。知られぬ故。云 |
Z14_0180A11: | れぬなり等といへり。此會通も。亦甚だ聞えぬなり。 |
Z14_0180A12: | 此二筋ありと云は。珍しからぬこと。此方にも夢なら |
Z14_0180A13: | ずして。從來よく知つたることなり。而るに情の方の |
Z14_0180A14: | 一筋を云ぬは。四明の卽心念佛は。たゞ解悟の方にし |
Z14_0180A15: | て。全く迷情の筋にてはなきが故なり。知らぬが故と |
Z14_0180A16: | 云るゝは。亦あて推の妄言なり。其方の云るゝ如くな |
Z14_0180A17: | らば。今引く妙宗の文も。智の方ばかりを云て。情の |
Z14_0180B01: | 方を全くの玉はぬ程に。四明も亦一通り計りを覺え |
Z14_0180B02: | て。皆名爲レ情ある一通りは。夢にも知ず。知られぬが |
Z14_0180B03: | 故。妙宗の始終に思ふたり。覺えたりする。情の方を |
Z14_0180B04: | 云れぬなりと。破されんや。さて〱受取れぬ破斥な |
Z14_0180B05: | り。此二筋のわけ。其方には。從來能く明らめずして。 |
Z14_0180B06: | 不埓なること共を云るゝなり。上品の寂光や。究竟の |
Z14_0180B07: | 佛智を觀體とする。絕待の妙觀は。專ら解悟の方にて |
Z14_0180B08: | いひ。全く迷情の方には非ず。もし毫末にても。迷情 |
Z14_0180B09: | が雜らば。それは中下の寂光。三乘の聖智にして。上 |
Z14_0180B10: | 品の寂光にても。究竟の佛智にてもなく。情智が待對 |
Z14_0180B11: | すれば。絕待の觀智も云れず。此處一家の學者。最も |
Z14_0180B12: | 深く審かにすべきなり。圓人の觀智。かくの如くなれ |
Z14_0180B13: | ども。住前觀智。皆名爲レ情との玉ふは。住前は未だ無 |
Z14_0180B14: | 明を斷ぜず。行者の法體。迷にあるが故なり。妙宗に。 |
Z14_0180B15: | 人雖レ解レ妙。法體是迷へりとの玉ふも。此意なり。然れ |
Z14_0180B16: | ども用る所の觀智に。迷情が雜ると云には非ず。指要 |
Z14_0180B17: | 抄に。初心に用る絕待の觀體を。方譬三日光不二與レ暗共一 |