浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0048A01: | 濁世の。凡小愚憃にして。愛見癡網密縈ひ。實我の妄 |
Z14_0048A02: | 繩堅く縛しめ。窮理の得道に拙きことは。良とに拙な |
Z14_0048A03: | し。燕雀の趐さを振ふて。冲天迅蜚を慕ふに異ならん |
Z14_0048A04: | や。凾蓋齟齬して入門かたし。故に古人曰。法然上人。 |
Z14_0048A05: | 有二一選擇一。謂計二機分一。亦驗二佛誓一。捨二十一宗出要一。方 |
Z14_0048A06: | 期二十八願往生一矣。誠に水潜陸行。各得二其處一而安須レ |
Z14_0048A07: | 知。 |
Z14_0048A08: | 談曰。心觀の宿習がなければ。淨土にても。早速には |
Z14_0048A09: | 悟り開けがたきなり。 辨曰。是れ老漢の臆斷なり。 |
Z14_0048A10: | 何れの經論にありや。設如レ此釋し來れば。得生淨土 |
Z14_0048A11: | は詮なきこと。宿習の有無を論ぜず。佛力住持して。 |
Z14_0048A12: | 隨レ品開悟す。如來淨華衆正覺華化生は。淨土の德義 |
Z14_0048A13: | なり。爾らざれば。臨終始て佛法に遇し輩は。宿習毫 |
Z14_0048A14: | 髮もなし。此の惡機は。淨土にても。冥々として迷心 |
Z14_0048A15: | なるべきや。可レ哂。 |
Z14_0048A16: | 談曰。淨土家などの如く。事の念佛ばかりを務るは。 |
Z14_0048A17: | 理觀がかくるなり。辨曰。事理は兩輪のごとくと云 |
Z14_0048B01: | ふは。自他共許の義なり。其のうちに。法華經等は理 |
Z14_0048B02: | を面とし。淨土經は事を面とす。然れども其の事に理 |
Z14_0048B03: | を具して事理不二なるが。圓敎にあらずや。理觀は。 |
Z14_0048B04: | 本願にあらざれば修せず。却て非本願の行を修する |
Z14_0048B05: | は。往生一定しがたし。總じて。此書の始終に。彌陀を |
Z14_0048B06: | 念じ。西方を願がごとくして。一處として本願を出さ |
Z14_0048B07: | ず。唯天台の觀心を肩荷して勸む。漸く五品觀行の智 |
Z14_0048B08: | 者と。三覺窮滿の法王と。何れを用て誠證とすべき。 |
Z14_0048B09: | 祖師に牽强して其他を誣蔑するや。智論曰。自法愛染 |
Z14_0048B10: | 故毀二呰他人法一。雖二持戒行人一。不レ免二地獄苦一。 |
Z14_0048B11: | 談曰。韋提希や侍女は。皆歷々の女人なり。辨曰。 |
Z14_0048B12: | 是亦經旨に背く。旣に我宿何罪生此惡子と說て因果 |
Z14_0048B13: | に暗し。故に佛も汝是凡夫。心想羸劣との玉へり。佛 |
Z14_0048B14: | 世の當機は。權化なりと雖ども。權は實を引んが爲な |
Z14_0048B15: | れば。經面の如く。羸劣の凡夫。以二佛力一故に見二淨土一。 |
Z14_0048B16: | 五障非器の女人。五濁の實凡往生門を開くなり。龍女 |
Z14_0048B17: | の權實は。こゝに盡さず。六祖石鞏等は。今日の所論 |