浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0047A01: | に。被るに似たりと雖ども。廣く一切衆生。專念願生 |
Z14_0047A02: | するに。皆往生決定の機を成就するなり。三見生無生 |
Z14_0047A03: | の往生とは。謂く見生誠信の當體。卽全無生なり。事 |
Z14_0047A04: | 理縱橫。卽相不退。さきに辨するが如し。此の外に不 |
Z14_0047A05: | 體失の現身往生あり。天竺の阿私多太子。天竺往生驗記本朝 |
Z14_0047A06: | 勝尾の善仲。善算。元亨釋書武州增上寺第三世。音譽本朝僧傳五十六 |
Z14_0047A07: | 等なり。今老漢の引文道理は。並無生而生の一類な |
Z14_0047A08: | り。今時有相耽著の凡夫。絕二希望一。涓流の水巨舟難レ |
Z14_0047A09: | 浮。短綆汲二深井一耶。各々量二自涯分一可二願生一。諺に曰。 |
Z14_0047A10: | 身のほどを。しれと。 |
Z14_0047A11: | 談曰。事の念佛ばかりにては。佛の敎への根本に遠 |
Z14_0047A12: | く。出離の道すぢ。ちかゝらず等。 辨曰。旁觀記に。 |
Z14_0047A13: | 淨土家の書は學び候はねば。違たること多く候はん |
Z14_0047A14: | とあれば。老漢の爲めに。一箭路を通ずべし。先つ淨 |
Z14_0047A15: | 土の行者。厭二娑婆一欣二淨土一。娑婆を厭ひ惡むは。一分 |
Z14_0047A16: | の嗔なり。欣二慕淨土一。一分の貪なり。未レ藉二思量一念 |
Z14_0047A17: | 功一これ癡なり。此の三毒の全體。斷迷開悟の起修な |
Z14_0047B01: | れば。斯乃煩惱卽菩提なり卽レ生無生なれば。生死卽 |
Z14_0047B02: | 𣵀槃なり。彌陀の强緣をたのみ。低頭合掌して念佛す |
Z14_0047B03: | るは。緣因なり。解脫なり。娑婆の浮僞を。わきまへ。 |
Z14_0047B04: | 淨土の不退を欣ふは。了因なり。般若なり。然れは全レ |
Z14_0047B05: | 性起レ修。當體全是。卽レ事而眞なれは。穢身を捨るとひ |
Z14_0047B06: | としく得二無生一。何れか淨。何れか穢。厭ふべきもな |
Z14_0047B07: | く。欣ふべきもなし。與麼の時。唯心法界にして。本來 |
Z14_0047B08: | 無東西。盡十方世界。一箇の明珠なり。過十萬億とは。 |
Z14_0047B09: | 方境を定むる閻浮の化道にして。全く去此不遠なり。 |
Z14_0047B10: | 故に善導は。釋二一念卽到一。天衣は去ることは。實に不レ |
Z14_0047B11: | 去とのたもふ。圓頓一佛乘なり。此の開解は。淨土の |
Z14_0047B12: | 益なり。故に八宗九宗の外に。淨土宗と云ものあるな |
Z14_0047B13: | り。爾れども是並法門の義理にて。物だてゝ謂はず。 |
Z14_0047B14: | 只仰信して念佛すれば。果然として。冥二合此理一。正覺 |
Z14_0047B15: | の彌陀。今日得生凡夫。一如にして二如なく。全體若 |
Z14_0047B16: | 不生者。不取正覺十刧覺成の姿なり。老漢の談は。皆 |
Z14_0047B17: | 是此土の開解にして。一代聖道の化益なり。今此の |