浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0004A01: | り。我心と佛と。少しもかわらぬ。一體と云こと。合點 |
Z14_0004A02: | のゆかぬ人は。疑はしく思ふべけれども。佛諸の大乘 |
Z14_0004A03: | 經の中に於て。處々に明かに說せ玉ひたることなれ |
Z14_0004A04: | ば。少しも疑ひを生ずべからず。面々見たひ。聞たひ。 |
Z14_0004A05: | 惜ひ。ほしひ。あつひ。さむひの心の起るは。無始より |
Z14_0004A06: | 以來。迷ひたるゆへなり。何ほど迷ひて。見たひ。聞た |
Z14_0004A07: | ひ。をしひ。ほしひの妄念が起れども。其心の體は。結 |
Z14_0004A08: | 構なるものにて。佛の心と。少しも相かわらざるな |
Z14_0004A09: | り。譬へば。金を以て。佛の形を作り。金を以て。鬼神 |
Z14_0004A10: | の形を。作りたるが如し。形に難レ有と。こわひとの。 |
Z14_0004A11: | かわりはあれども。金の體に。少しもかわりはなし。 |
Z14_0004A12: | 因てたれにても。金の鬼を見付たらば。早速鑄とらか |
Z14_0004A13: | して。大判。小判。一分などにして。自由につかひ用ゆ |
Z14_0004A14: | べし。此譬への如く。見たひ。聞たひ。をしひ。ほしひ。 |
Z14_0004A15: | あつひ。さむひの念を以て。卽ち念佛の念に。なすべ |
Z14_0004A16: | きものなり。右の通り。是心作佛。是心是佛と。佛の說 |
Z14_0004A17: | せ玉へる意を知て。卽心念佛を勤むれば。限りなく深 |
Z14_0004B01: | く大いなる。功德利益あることなり。因て觀經に。稱二 |
Z14_0004B02: | 佛名一故。除二五十億刧生死之罪一と說。五逆十惡を作れ |
Z14_0004B03: | る人も。臨終の十念にて。重罪を滅し。往生する旨を |
Z14_0004B04: | 說せ玉ひたり。此程難レ有。大なる功德はなし。此卽ち |
Z14_0004B05: | 卽心念佛を明せる。御經の說なるゆへ。如レ此の大功 |
Z14_0004B06: | 德あり。淨土の三部經の中に。無量壽經。阿彌陀經に |
Z14_0004B07: | は。卽心念佛の旨を明さず。觀經ばかり。是心作佛。是 |
Z14_0004B08: | 心是佛の觀念を明すゆへ。前の如きの大功德あり。因 |
Z14_0004B09: | て天台大師は。此經明觀。故說得生と釋し玉ひ。無量 |
Z14_0004B10: | 壽經には。觀心を明さゞるゆへ。五逆謗法の人を嫌玉 |
Z14_0004B11: | へりと。仰せらる。然れば。何ほどの重罪を造たる人 |
Z14_0004B12: | も。懺悔念佛すれば。決定して往生すと許すは。卽心 |
Z14_0004B13: | 念佛を明せる。觀經の力用なり。勤むべきは。卽心念 |
Z14_0004B14: | 佛なり。但し卽心念佛の意を。能く合點したる人は。 |
Z14_0004B15: | 左樣の功德もあるべし。吾等底の。卽心念佛の意の。 |
Z14_0004B16: | 合點のゆかぬものは。何とて。左樣の功德あるべきや |
Z14_0004B17: | と云。疑あるべきことなれども。合點のゆかぬこと |