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Z0400 空花和歌集 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0362A01: 殿。山寺の曉方のかねの音に。なかきねふりを
Z08_0362A02: さましてし哉。○念佛三昧寶王論云。縱令
Z08_0362A03: ルニモ。含而寢。覺レハ卽續。必於夢中
Z08_0362A04: ルヿヲ彼佛。如鑽燧飛火前相ナルカ〓夢
Z08_0362A05: レハ。三昧成焉云云。○淨土文云。予舊ヨリ
Z08_0362A06: レル劉仲惠。湖州長興ナリ。以夜夢キヲ
Z08_0362A07: 。予勸ルニスルヿヲ阿彌陀佛。惠仲至誠ニM(シテ)。聲
Z08_0362A08: スルヿ一百八遍。當安寢。次
Z08_0362A09: 念誦。自此皆得安寢云云。
Z08_0362A10: 空花和歌集卷下
Z08_0362A11: ○上人てつから書き付給へりける
Z08_0362A12: 千とせふる小松のもとをすみかにて
Z08_0362A13: 無量壽佛のむかへをそまつ
Z08_0362A14: 是より下の五首は。上人御年七十三。元久二年十二
Z08_0362A15: 月八日に。小松谷の幽栖にて。手づから書き給へり
Z08_0362A16: し歌なり。○千とせふるとは。松の千とせふるとい
Z08_0362A17: ふ事。抱朴子といふ文に見えたり。○小松とは。小
Z08_0362B01: 松谷の名木なるべし。○無量壽佛の迎をそ待つと
Z08_0362B02: は。上の句に對する詞也。然るに印行の語燈錄に。阿
Z08_0362B03: 彌陀〓とあり。繪詞傳の古本には。無量壽佛とあり。
Z08_0362B04: 梵漢の詞にて同じ義ながら。千歲ふる松といへる
Z08_0362B05: に對して。漢語はその義ちかく聞ゆ。さて此歌は。厭
Z08_0362B06: 穢欣淨の御勸なり。面影かすかにて。おもしろき歌
Z08_0362B07: 也。和歌は。た▲每首作者の思ひ入りたる處に。よ
Z08_0362B08: くよく心を付て見侍るへき事にこそ。それ松は千
Z08_0362B09: 年の靈木にして。人の世にてはめでたきためしに
Z08_0362B10: 引くなり。しかはあれども。終には枯れおとろふる
Z08_0362B11: 期あり。彌陀尊は量なき壽の佛なれば。その國に生
Z08_0362B12: る〻者も。同じく無量壽の身となりて。ながく不退
Z08_0362B13: の快樂をうく。花こそ眞の長生なるべけれ。纔に千
Z08_0362B14: 歲と限あるは。小松にあらずやとの義にて。厭欣の
Z08_0362B15: す〻めなり。
Z08_0362B16: 松の千歲を經といふ事は。(スウ)(サン)()。玉策記にも
Z08_0362B17: あり。○白氏文集放言云。松樹千年終
Z08_0362B18: 云云。○袋雙紙云。書寫性空上人。ちとせふる松
Z08_0362B19: たにくゆる世の中に。けふともしらてたてるわ
Z08_0362B20: れかな。是は松の木の切くひに。火のもゆるを見

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