浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0360A01: | 導大師の疏に。至ト者眞ナリ。誠ト者實ナリとあり。名利の |
Z08_0360A02: | 爲にせず。た▲眞實なるをいふ。稱名は本願の正業 |
Z08_0360A03: | なる故に。まことしくとなふれば。無下にたやすく |
Z08_0360A04: | 往生す。然るに人の心に。いつはり。かざり有つて。 |
Z08_0360A05: | 至誠心なきが故に。往生を得ずといふ義なり。○世 |
Z08_0360A06: | にやすけれど〻は。世間ひろく。誰にてもの心也。○ |
Z08_0360A07: | 皆人とは往生せざる人也。又案ずるに。此歌。易往而 |
Z08_0360A08: | 無人の經文にもよくかなふ也。上の句は易往。下の |
Z08_0360A09: | 句は而無人の心也。 |
Z08_0360A10: | 頭西方要決ニ云。問。西方淨土ハ。處勝レ時安シ。一切ノ |
Z08_0360A11: | 下流。如何ソ竝ニ往ク。答。彼方ハ精妙ニM(シテ)。欲スルニレ往ント |
Z08_0360A12: | 實ニ難シ。佛力加持スレハ。去ルヿ之レ甚易シ云云。向阿上人 |
Z08_0360A13: | 云。すこしにても往生がげにしたく覺えて。南無 |
Z08_0360A14: | 阿彌陀佛と〻なへんは。その願ふ心に深き淺き |
Z08_0360A15: | はありとも。申さん念佛は。皆まことなるべし。心 |
Z08_0360A16: | ざし深くば上品に生れ。淺くば下品にこそくだ |
Z08_0360A17: | るとも。みな往生の埓の中には入りぬる也。その |
Z08_0360A18: | 下品に生る〻程の誠は。世にやすき事なるべし。 |
Z08_0360A19: | ゆめ〱往生をかたくは思ふべからず云云。○無 |
Z08_0360A20: | 量壽經ニ云。易M(シテ)レ往而モ無シレ人云云。淨影疏ニ云。修スレハレ |
Z08_0360B01: | 因ヲ卽去ルヲ名テ爲ス二易往ト一。無M(シテ)ハ二人ノ修スルヿ一レ因ヲ。往 |
Z08_0360B02: | 生ノ者尠シ。故ニ曰二無人ト一云云。 |
Z08_0360B03: | ○睡眠の時十念を稱ふへしといふ事を |
Z08_0360B04: | 阿彌陀佛と十こゑとなへてまとろまん |
Z08_0360B05: | なかきねふりになりもとこすれ |
Z08_0360B06: | 此歌。念死念佛の御勸なり。心は明か也。吉水の法流 |
Z08_0360B07: | をくまん人は。常に此御勸をまほり。打ふすごとに。 |
Z08_0360B08: | 臨終のおもひをなして。十念を具足すべし。○まと |
Z08_0360B09: | ろむとは。二人丸祕抄に。暫寢と書きたれば。しばし |
Z08_0360B10: | いぬる也。○なかきねふりになりもこそすれとは。 |
Z08_0360B11: | 此しばしのねふりより。やがて息絕えなば。生死長 |
Z08_0360B12: | 夜の闇に迷ひて。無明の大夢を見るべしとの心な |
Z08_0360B13: | り。なりもこそすれとは。長き眠になるへしといふ |
Z08_0360B14: | 心也。 |
Z08_0360B15: | 頭摩訶止觀ニ云。人命無常ナリ。此ノ身何ソ保ン。一息 |
Z08_0360B16: | 不レハレ追。千載長ク往ク云云。淨土文ニ云。莫レレ言後 |
Z08_0360B17: | 世遠シト。閉レハレ眼ヲ卽是ナリ云云。○智論ニ云。若シ下出 |
Z08_0360B18: | 氣保レ當キヲ二還入ル一。入息ノ保チレ出ルヲ。睡眠M(シテ)復得カ中還 |
Z08_0360B19: | 覺ンルコトヲ上。是皆難レ必トシ云云。 |
Z08_0360B20: | 金葉集 |