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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0136A01: たつかたによりぬとあり。●(十一)さるべき男とは。
Z08_0136A02: いかさま。た▲ならぬ人なるべしと。推していふな
Z08_0136A03: り。これ貴顯の大臣なるべし。○此いふ心は。つねに
Z08_0136A04: 上人の許にいたりて。敎化をもうけばやとはおもひ
Z08_0136A05: ながら。君につかへて位たかき身なれば。外へいづる
Z08_0136A06: 事も心にかなはず。其上道とをきゆへ。おもひたちが
Z08_0136A07: たし。又富貴の身なれば。公用もしげく。私の𨻶も入
Z08_0136A08: て。久しく對面せねば。佛法の事もうとくなるとな
Z08_0136A09: り。○禪房とは。上人の庵室なり。○山ふかきすまひ
Z08_0136A10: は。その山居をいふ。○沙汰とは。とひ。こたへて。是
Z08_0136A11: 非をえらぶ義なり。○李白。永言題禪房已上
Z08_0136A12: 𣵀槃經。在家公私擾々タリ。何暇有テカセン已上
Z08_0136A13: 世說。沙之汰之。已上類書纂要。如
Z08_0136A14: 而汰去スルカ也。已上杜子美。沙-汰江河レルヲ
Z08_0136A15: 集註。沙汰。以。去而存スルヲ
Z08_0136A16: 已上韻會。沙汰也。已上●(一二)
Z08_0136A17: いふ心は。さすがに後世の事をば。わすれねども。浮世
Z08_0136A18: にかかはりて。修行するに𨻶なし。これ大事に小事を
Z08_0136A19: かゆる。きたなき心なれば。聖人のをしはかりもはづ
Z08_0136A20: かしとなり。○出離とは。三界の生死を。いではなる〻
Z08_0136B01: 事なり。大志とは。すなはち出離をねがふ心ざしなり。
Z08_0136B02: 下の浮世の小節に對して。大といふなり。かならずしも菩提心にあら
Z08_0136B03: ず。○浮世とは。此世の定めなくかはるをいふ。○小節
Z08_0136B04: とは。すこしき節義なり。つれ〲草に。一生は雜事
Z08_0136B05: の小節にさへられて。むなしく〻れなんとあり。これ
Z08_0136B06: なり。○心きたなしとは。心うつくし。心きたなしとい
Z08_0136B07: ふ詞。源氏におほし。きたなしとは。黑の字なり。角總(アゲマキ)
Z08_0136B08: に。心ぎたなきひじりご〻ろと有。古。浮世皆幻
Z08_0136B09: 境。已上任昉。高蹈ムハ海隅。匹夫小節。已上
Z08_0136B10: (一三)禮記に。苛政は虎よりもはげしといふ事あり。
Z08_0136B11: 苛政をからきまつごと〻よむなり。國の法度の。こま
Z08_0136B12: かにしていら〱しきは。虎よりも民のおそろしが
Z08_0136B13: るものなり。此人みづから政務にあづかりて。下知を
Z08_0136B14: なす大臣なれば。心をやはらげ。民をなつけんために
Z08_0136B15: も。知識のをしへを聞たくおもふとなり。○いさめと
Z08_0136B16: は。奧義抄。諫をいさむとよむなり。をしゆるや
Z08_0136B17: うなる事なり。事をす〻むるにも。又と▲むるにも。
Z08_0136B18: いさむるは有事なり。已上○うたてうとは。薄情の字
Z08_0136B19: にて。うと〱しき心。又なさけなしといふがごと
Z08_0136B20: し。○ゆきてをしへぬとは。是も禮記にあるなり。弟

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