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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0127A01: ものやはある。(二七)それをやがて信心とだにもし
Z08_0127A02: らましかば。往生は。かやすくおもひかためなんを。
Z08_0127A03: このうへに。いまひときは。おこらんずる事のやう
Z08_0127A04: に。もてなやむ程に。たま〱たのもしくおぼえつ
Z08_0127A05: る心をさへ。思ひさまして。はて(果)は信なきなげき
Z08_0127A06: をする。(二八)これ。いさ〻かのおもむきを。あしく心
Z08_0127A07: えたるゆへなるべし。よく思ひ給ひわ(分)くべき事に
Z08_0127A08: なんありといはるれば。(二九)げにあしくこそ心え
Z08_0127A09: 侍りにけれ。日ごろは。た▲佛願はうたがはしからね
Z08_0127A10: ども。わが信心やいかにと。おぼえつるより。決定往生
Z08_0127A11: の思もをさへられて。心やましかり源語つるに。その
Z08_0127A12: 本願のたのもしきが。すなはち信心なるべからんに
Z08_0127A13: は。さらになにをかわづらはむ。物のいはれしらぬは。
Z08_0127A14: げに。やすかるべきみちにも。と▲こほるならひなり。
Z08_0127A15: (三〇)いかにたれ〱の御身にも。か〻る事のみお
Z08_0127A16: ほかるらん。これや。ヨビカクル詞ナリめん〱(面々)におぼ
Z08_0127A17: つかなからむ心(鬱悒)のうち。申し給ひあへとす〻め
Z08_0127A18: られて。(三一)
Z08_0127A19: いとさかしげ(最。賢氣)なるおとこのこゑにて。(三二)本
Z08_0127A20: 願のいはれ。三心のやうなどは。思ひや。ひが(僻)めた
Z08_0127B01: るらむはしらず。心ばかりは我心ニハおぼつかなから
Z08_0127B02: ぬ所存にて。いまはさせるうたがひありともおぼえ
Z08_0127B03: 侍らぬが。しかも又本願もいたく(甚)心にもそまず。
Z08_0127B04: (不染)往生も決定ともおもはれぬは。(三三)いかなる
Z08_0127B05: ゆへにかと案じてみるに。事のいはれを心えたれば。
Z08_0127B06: うたがひは〻れぬ。安心がうるはしくもおこらねば。
Z08_0127B07: 一定ともおぼえぬなめりとし(知)りぬ。(三四)さる
Z08_0127B08: 程に。あけくれ(朝夕)この三心をのみ。もてさば(譯)
Z08_0127B09: くれども。いまだそのかひありて。思ひえたる事も侍
Z08_0127B10: らぬが。なげかしきといへば。(三五)(ヒジリ)のいはく。これ
Z08_0127B11: は初心の人のつねにある事なり。(三六)おほかた本
Z08_0127B12: 願のいはれを。き〻わ(分)くまではやすけれども。さ
Z08_0127B13: て(扨)ひし(必至)と。おもひつく事はかた(難)きを。それ
Z08_0127B14: はくはしく心得てしかばと。うちや(打遣)りて。(三七)
Z08_0127B15: まづいと▲し(速)く。わが身に。三心はぐ(具)したりや
Z08_0127B16: と。あてが(擬)ひてみるに。なじかはさう(左右)なくお
Z08_0127B17: こりもせん。(三八)さるほどに。てもと(手元)こたへて
Z08_0127B18: もおぼえねば。いと▲(彌)あさましと。つきせぬ心あ
Z08_0127B19: つかひに。と▲こほりあへる。これ。もどかしきわざ
Z08_0127B20: (事)なり。(三九)まづ安心をす〻めんとおぼさば。しば

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