浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0126A01: | なりて。いと▲法門の沙汰も。うとく侍り。(一一)され |
Z08_0126A02: | ばとて。出離の大志を。わすれたるにはあらねども。 |
Z08_0126A03: | つたなく浮世の小節にか〻はされ(所拘)たる。いかに |
Z08_0126A04: | 心ぎたな(黑)くをしはか(推量)り給ふらん。(一二)苛政 |
Z08_0126A05: | (カラキマツリゴト)は虎よりもはげ(猛)しといへば。常にこそ。御 |
Z08_0126A06: | いさ(諫)めにもあづかりたきに。などか。うたてう。(薄 |
Z08_0126A07: | 情)まれ(希)にもた(立)ちいりたまはぬ。ゆ(往)きては |
Z08_0126A08: | をしへぬ(不敎)禮なれども。か〻るつみ人をば。す〻 |
Z08_0126A09: | (進)みてすく(救)ふ儀(禮儀)も侍るらんかし。(一三)こ |
Z08_0126A10: | よひの面會はことに本望なり。いはけなき傍源語もの |
Z08_0126A11: | どものあまたした(慕)ひまう(參)できたるをも。つみ |
Z08_0126A12: | かろ(罪輕)め侍りなんず。(一四) |
Z08_0126A13: | 抑(一五)彌陀の本願。慈悲ひとしく攝(オサムル)し。衆生の根 |
Z08_0126A14: | 機。善惡おなじく歸すといふ事。たび〱うけたまは |
Z08_0126A15: | り。ふり(舊)にき。(一六)それにつきて五逆の惡人もえら |
Z08_0126A16: | ばれず。(不簡)一念の稱名もすてられずときくまでは。 |
Z08_0126A17: | 佛願まことにさぞあるらんとうたがひなく。わが分。 |
Z08_0126A18: | よもはづれじとたのもしき程に。(一七)信心具足して |
Z08_0126A19: | 申念佛こそ。往生はすれといふおり。(時)(一八)さてはわ |
Z08_0126A20: | が身にはそれ傍信心やいまたし(未)からんとあやぶ |
Z08_0126B01: | (危)まれて。往生もなを一定ともおぼえねば。心もい |
Z08_0126B02: | まひときは(今一限)うきたちぬるあさましさに。(一九)を |
Z08_0126B03: | して(推)本願があやまりなければとおもひなせども。 |
Z08_0126B04: | (二〇)それも安心のうへにこそと。たちかへり〱。う |
Z08_0126B05: | かれゐ(浮居)たるをば。(二一)いづかた(何方)につ(著)き |
Z08_0126B06: | てか。落居(オチヰ)し侍るべきと〻(問)へば。(二二)聖こた |
Z08_0126B07: | へていはく。いまうけたまはるやうは。すでにおこり |
Z08_0126B08: | たる信心を。心からおもひさまされたるにこそ。物の |
Z08_0126B09: | ゆくゑしらぬとて。いとうたてうも侍るかな。(二三) |
Z08_0126B10: | まづその機のわろきをも。行のすくなきをも。すてぬ |
Z08_0126B11: | 本願といふまでをき〻て。うたがはしからず。たのも |
Z08_0126B12: | しくおぼすらんをこそ。すなはち信心とは申せ。その |
Z08_0126B13: | ほかには。さらになにをかもとめ給はん。(二四)いかに |
Z08_0126B14: | 十惡五逆。傍機一念十念傍行もときけども。さはいへ |
Z08_0126B15: | ど。たやはすくはあらじをなンど。本願をかすめうた |
Z08_0126B16: | がひて。たうとくもえおぼえぬこそ。信心のなきにて |
Z08_0126B17: | はあれ。(二五)おほかた。このごろは。念佛の法門み〻 |
Z08_0126B18: | なれて。あら〱しく。願力をよもとまでうたがふ人 |
Z08_0126B19: | は。よにまれなり。(二六)されば。わりなき(無別)佛の |
Z08_0126B20: | 御慈悲などきくおり。さすがたのもしと。心うごかぬ |