浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0120A01: | 黑谷上人。また出世ありとも。此說をば改めたまふべ |
Z08_0120A02: | からず。○明眼論ニ云ク。然ニ吾カ入滅ノ後七百餘歲ナラン |
Z08_0120A03: | 時ニ。或ハ以テ二邪法ヲ一混シ二正法ヲ一。或ハ以テ二邪義ヲ一猥リ二正義ヲ一。 |
Z08_0120A04: | 或ハ以テ二三乘ノ事敎ヲ一。破リ二一乘ノ理法ヲ一。或ハ稱M(シテ)レ及ヘリト二 |
Z08_0120A05: | 末代無戒之時ニ一。謗リ二持戒之比丘。比丘尼ヲ一。或ハ號M(シテ)二當 |
Z08_0120A06: | 世之作法ト一。猥リ二先德之法則ヲ一。或ハ立テ二私ノ新宗ヲ一。壞フリ二 |
Z08_0120A07: | 古賢之宗義ヲ一。或ハ有テ二無智ノ男女一。判セン二法之邪正ヲ一。 |
Z08_0120A08: | 或ハ躭二-著M(シテ)世法ニ一。高二師匠之惡名ヲ一。或ハ說テ二種々ノ妄 |
Z08_0120A09: | 語ヲ一。謂二吾レ能ク說法スル之人ト一。成リ二愚人ノ師ト一。或ハ計M(シテ)レ |
Z08_0120A10: | 無ト二一法一。墮シ二虛無之見ニ一。或ハ求二萬法常住ヲ一。不ンレ辨セ二 |
Z08_0120A11: | 刹那生滅之道理ヲ一。已上●(五一)序分の初と符合す。徑 |
Z08_0120A12: | 路も上卷に註せり。序分義ニ云ク。願ハ佛ノ慈悲。示シ玉ヘ二我ニ |
Z08_0120A13: | 經路ヲ一。已上●(五二)山のはに影かたふきてかなしき |
Z08_0120A14: | は。むなしくすきし月日なりけり。續後撰緣忍上人○月日の |
Z08_0120A15: | かげは光陰なり。○かたぶきぬるよはひとは。月日に |
Z08_0120A16: | かけてかたぶくといふ。としよれる義なり。李令伯カ |
Z08_0120A17: | 陳情ノ表ニ云ク。劉カ日薄ル二西山ニ一。已上○獦者とは。狩人な |
Z08_0120A18: | り。無常をかり人にたとふるなり。倭名鈔ニ云ク。獵師。 |
Z08_0120A19: | 一ニハ謂フ二獦者ト一。和名加利比止。○屠所のひつじとは。わが命 |
Z08_0120A20: | は羊のごとし。日夜に死にちかづくは。屠所にあゆみ |
Z08_0120B01: | よるがごとし。屠所とは。獸をころし。肉をさく處な |
Z08_0120B02: | り。心地觀經ノ無垢稱品ニ。我カ此ノ身命。能ク得ル二幾ク時ヲ一。 |
Z08_0120B03: | 是ノ日旣ニ過キナハ。命隨テ〓減少ス。猶如シ下牽テレ羊ヲ詣ルニ二彼屠 |
Z08_0120B04: | 所ニ一。漸々ニ近キレ死ニ。無上レ所二逃避スル一。已上屠はほふると訓ず。 |
Z08_0120B05: | 韻會ニ云ク。屠ハ殺也。已上歌にも。ひつじのあゆみとよ |
Z08_0120B06: | む事なり。○立かへるべき道ならぬとは。さかさまに |
Z08_0120B07: | ゆかぬ月日なれば。生の方は日々にとをざかり。死の |
Z08_0120B08: | 方は夜々にちかくなるなり。拾因ノ序ニ云ク。去リ去テ |
Z08_0120B09: | 不ルハレ來ラ盛ナル年。殘ノ日稍闌タリ。已上○是は老の事。下は |
Z08_0120B10: | 死の事なり。●(五三)是は無常のすみやかなること。 |
Z08_0120B11: | 後生のちかき事をいふなり。一息とは。出入一筋の息 |
Z08_0120B12: | なり。增韻ニ云ク。一呼一吸ヲ爲ス二一息ト一。已上みな人。後生 |
Z08_0120B13: | 來世といへば。はるかにとをき事とのみ。おもひあへ |
Z08_0120B14: | り。この一筯の息の。かよふ中が現世なり。ほそき息 |
Z08_0120B15: | のきる〻時が。やがて後世になるぞとなり。○一念と |
Z08_0120B16: | は。臨終の一念なり。○蹉跎はあやまる事なり。臨終 |
Z08_0120B17: | の一念たがひぬれば。すなはち生死に輪廻するなり。 |
Z08_0120B18: | 輪廻とは。六道にまよひめぐる事なり。○是は善導大 |
Z08_0120B19: | 師の。臨終要決の語をもちひ給へるなり。要決ニ云ク。一 |
Z08_0120B20: | 息不レハレ來。便チ屬ス二後世ニ一。一念蹉跎スレハ。便チ墮ス二輪廻ニ一。 |