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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0119A01: 曉霧と有。榊卷に。行かたをなかめもやらん此秋は。
Z08_0119A02: あふさか山をきりなへたてそとあり。●(四八)ねん
Z08_0119A03: なきは。のこりおほき心なり。○まかでは。下向する
Z08_0119A04: 事なり。退出の二字なり。源氏に。たれ〱もまかで
Z08_0119A05: 給ひぬとあり。○はれにし。侍りにき。兩處のにの字は
Z08_0119A06: 助字なり。○是より下を流通分といへり。●(四九)抑
Z08_0119A07: は。端をあらたむる詞なり。摠じていづれの行をなす
Z08_0119A08: にも。安心といふ事大切なり。いかに難行苦行すとも。
Z08_0119A09: 心がひがめば。皆いたづら事なり。されば念佛の行者
Z08_0119A10: も。安心が大事なり。その心づかひあしければ。いか
Z08_0119A11: に念佛しても。往生せぬぞとなり。○弘決。發心
Z08_0119A12: 僻越スレハ。萬行徒已上僻は乖僻。越は違越なり。●
Z08_0119A13: (五〇)邪正の名。不同なれども。是は念佛の宗義にを
Z08_0119A14: いて。偏邪の見あるを。あはせて邪師といふ。そのをし
Z08_0119A15: へを。邪敎といふなり。そも〱代々相傳の正義を。
Z08_0119A16: 公直にまほりて。さらに私曲なきを正師といふ。そ
Z08_0119A17: の人のをしへは正敎なり。又天性。道心なく。いまだ
Z08_0119A18: 佛祖の御心をも察せず。私に經釋を見て。念佛の法
Z08_0119A19: 門を。よこしまに覺たる人を邪師といふなり。そのを
Z08_0119A20: しへは大悲の佛願にそむき。因果の道理にたがひて。
Z08_0119B01: 惡をゆるし。善をさへぎり。正意にそむきて。往生のさ
Z08_0119B02: はりとなるを邪敎といふなり。か〻る邪師を信じて。
Z08_0119B03: その邪敎にまかすれば。甘露の念佛も。毒のごとくに
Z08_0119B04: て。佛の本願にはづれ。火車の來迎にあふべし。おそ
Z08_0119B05: ろし〱。古德。欲ント無上菩提。必須-禮
Z08_0119B06: 明師。聽敎法。若遇盲師指示。要M(シテ)超昇
Z08_0119B07: 沈墜セン矣。已上又曰。我今再。九十六種外道
Z08_0119B08: 生死修行。只是不ルヿヲ解脫ソヤ也。皆
Z08_0119B09: -着盲師。將正法邪法。佯ツテ佛法
Z08_0119B10: スノ魔法。以。錯賺者多矣。自ルハ
Z08_0119B11: ナリ。又賺他人。正所謂一盲引衆盲。相牽
Z08_0119B12: ツト火坑也。歸元直指。○弘決。邪人。邪敎。邪正相
Z08_0119B13: 已上又云。邪人說正法。正法邪法。正人說
Z08_0119B14: 邪法。邪法正法已上むかしの邪師邪敎は。鎭
Z08_0119B15: 西上人の。念佛名義集にあそばしたれば。ひらきみる
Z08_0119B16: べし。さいはい。かな文字にてよみやすきものなり。當
Z08_0119B17: 世風聞の邪師邪敎は。前に粗しるすがごとし。俗間の
Z08_0119B18: 妄說は。塵をはらふがごとし。從てた▲せば從ておこ
Z08_0119B19: り。畢竟この抄を規矩として。これにたがへる新義は。
Z08_0119B20: みな邪敎なりとしるべし。是はこれ正直の公論なり。

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