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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0108A01: れば。み(滿)ちゆかぬあらましのみにて。やみにき。
Z08_0108A02: ほいなかりし(無本意)事なれども。(二一)よし(可)
Z08_0108A03: よし。たとひ九州ほどとをくして。談話を西海のなみ
Z08_0108A04: にへだつとも。一生いくばくならざれば。向顏を寶池
Z08_0108A05: の月に()せんと。思ひなぐさみてすぎにしほどに。
Z08_0108A06: (二二)かのひじり(聖)のか〻れたる。(二三)三心要
Z08_0108A07: 集。(二四)修行門。(二五)などといふ物をみしかば。
Z08_0108A08: のせらる〻所の義。さらに聖覺のことばにたがはず。
Z08_0108A09: (二六)あまさへ。われいさ〻かも。上人の御義をあや
Z08_0108A10: まらばとて。さま〲の誓言をかきのせられたりし
Z08_0108A11: を。ひらき見てしのちこそ。()(ハウ)(シウ)()も。げに面會
Z08_0108A12: のごとくに。よろこびも。うらみもいまさらなりし
Z08_0108A13: か。(二七)その書どもは。いくらもよの中に侍るなめ
Z08_0108A14: り。たれ〱もかまへてたづね見給へ。(二八)このひ
Z08_0108A15: じりたちは。その身がらの人にすぎて。智者道心者に
Z08_0108A16: ておはせしも。さる事にて。(二九)法然上人の御義を
Z08_0108A17: たがへずと。たて給ひしかごとが。ことにたのもしく
Z08_0108A18: たうとくおぼゆる也。(三〇)されば勢觀房の。聖光ひじ
Z08_0108A19: りへ。つかはされしせうそこ(消息)にも。當世京邊の
Z08_0108A20: 念佛の義。みなもて(皆以)(ヂヨク)(ラン)。しかるに()(ヘン)一人。
Z08_0108B01: 正義傳持候。ことに隨喜し入候とか〻れたりき。かの
Z08_0108B02: 勢觀〓は。としひさしく上人につかへたてまりて。法
Z08_0108B03: 門の聽聞もみ〻ふり(耳舊)たりしひじり也。その消息
Z08_0108B04: はまのあたり(親)見侍りき。まさしき自筆の狀にて
Z08_0108B05: 侍りし也。(三二)又法蓮房。正信房などにたづね
Z08_0108B06: うけ給はりしも。みな相傳の正義とて申されしは。こ
Z08_0108B07: とばもひとつに心もかはらざりき。そのほか京都に
Z08_0108B08: はや(時行囃)りたる義どもをば。さらに上人の御をし
Z08_0108B09: へにあらず。(三三)まめやかに。(ヱイ)(セン)ちかくは。み〻も
Z08_0108B10: あらひぬべしとぞ。この上足たちはかたられ侍りし。
Z08_0108B11: (三四)かやうに。あるい(ひ)は。あまねくその人に
Z08_0108B12: むかひ。或はくはしくその書をひらきて。相傳の邪正
Z08_0108B13: をた▲(糺)しあきら(明)めて。黑谷の正義をばき
Z08_0108B14: きをきしかども。(三五)天性もと(素)よりかたくな
Z08_0108B15: (頑)なるに。(ロウ)(セイ)いよ〱をろそか(疎)也。才もな
Z08_0108B16: く。智もなし。は(耻)ぢつべし。いた(傷)みつべし。
Z08_0108B17: (三六)かたはら(脇)いたく。申さでぞあるべきをた
Z08_0108B18: づね給ふ。心ざしのねんごろなればをのづから利益
Z08_0108B19: も侍らんに。わたくしありとおもひて。き〻おきしは
Z08_0108B20: しばし(端々)を。あら〱かたりきこゑぬる。(三七)

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