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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0107A01: たれがとがぞや。か〻るしるべにあひながら。一生む
Z08_0107A02: なしくすぎて。ひとり冥途にまよはん時。うらみどこ
Z08_0107A03: ろこそ侍るまじけれ。○願文の問答細判。以上にをは
Z08_0107A04: りぬ。
Z08_0107A05: 歸命本願鈔下末諺註
Z08_0107A06: 修行者又いはく。(一)このちかごろ。こ〻かしこ。ま
Z08_0107A07: ど(迷)ひあり(步)きしほどに。(二)げには事のは
Z08_0107A08: し〲(端々)は。たづねとぶ(訪)らふかたもこそ侍り
Z08_0107A09: しかども。(三)おほくは經釋にもあはぬ義どもにて。
Z08_0107A10: いと(最)心えぬ事のみ也。(四)されば安心もた(立)
Z08_0107A11: ちがたく。起行もす〻(進)ましからざりつるに。(五)
Z08_0107A12: しかるべう。(可燃)こよひこまやか(子細)なる。御を
Z08_0107A13: しへにあづかりて。往生のみち。(道)たどらず思さだ
Z08_0107A14: め侍りぬるは。(六)さながら。(七)大聖(オホキヒジリ)の方便
Z08_0107A15: にこそと。よろこびなみだことばにさきだつ。(八)さ
Z08_0107A16: てもいにしへの。智者のをしへとかや。き〻侍りつる
Z08_0107A17: は。たれ人の事にかあらん。(九)それまでは。いかで
Z08_0107B01: (爭)もありぬべけれども。(一〇)又ながれをくみて。
Z08_0107B02: みなもとをたづぬるならひは。ゆかしかるべき事に
Z08_0107B03: こそといへば。(一一)老僧のいはく。とりわき一人に
Z08_0107B04: つたへたる身にはあらず。(一二)法然上人の御弟子
Z08_0107B05: の中に。智者學生といはれし人々をば。もらさずこそ
Z08_0107B06: とぶ(訪)らひ侍りしが。(一三)なかにも。み〻にと
Z08_0107B07: まりておぼゆるは。(一四)聖覺法印の。法然上人の第
Z08_0107B08: 三年の御佛事に。當伽藍にして道俗をあつめて。(一五)
Z08_0107B09: 七日百万遍の念佛を。す〻められし結願の說法に。三
Z08_0107B10: 心の法門を申されて。(一六)をはりに。(一七)もしこ
Z08_0107B11: の法門。わが大師法然のおほせられしに。いさ〻かも
Z08_0107B12: たがひ侍らば。當寺の本尊照罸し給へと。おなじこ
Z08_0107B13: とばに。三度までちかごと(誓言)をたて〻。なをこ
Z08_0107B14: れをふしん(不審)に思あはれば。筑紫の聖光房に。と
Z08_0107B15: はるべしと申されしにこそ。(一八)さては聖光ひじ
Z08_0107B16: り(聖)は。證人になるほどの。たしかなる智者にて
Z08_0107B17: おはするにこそ。やむごとなく(貴)おぼえしかば。
Z08_0107B18: (一九)いか▲して。かのひじりに(二〇)たいめん
Z08_0107B19: して。安心起行など。こまかにたづねうか▲はまし
Z08_0107B20: と思ひしかども。こしたへぬ(腰不堪)老のあゆみな

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