浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0084A01: | ふことなかれ云云。聖覺法印の唯信抄ニ云ク。往生の業。 |
Z08_0084A02: | 一念にたれりといふは。その理まことにしかるべし |
Z08_0084A03: | といへども。遍數をかさぬるは不信なりといふ。すこ |
Z08_0084A04: | ぶるその語すぎたりとす。一念をすくなしと思ひて。 |
Z08_0084A05: | 遍數をかさねずば往生しがたしとおもは▲。まこと |
Z08_0084A06: | に不信なりといふべし。往生の業は。一念にたれりと |
Z08_0084A07: | いへども。いたづらにあかし。いたづらにくらすにい |
Z08_0084A08: | よ〱功をかさねん事。要にあらずやとおもひて。こ |
Z08_0084A09: | れをとなへば。ひめもすにとなへ。夜もすがらとなふ |
Z08_0084A10: | とも。いよ〱功德をそへ。ます〱業因決定すべし |
Z08_0084A11: | 云云。又云。一念決定しぬと信じて。しかも一生おこた |
Z08_0084A12: | りなく申べきなり。已上●(五九)本願の文に。乃至十 |
Z08_0084A13: | 念とあり。成就の文に。乃至一念とあるは。ともに臨 |
Z08_0084A14: | 終にかぎる事なり。一生造罪の人。臨終にはじめて名 |
Z08_0084A15: | 號をとなへ。二念にをよばすして命をはり。第十念に |
Z08_0084A16: | して息のきる〻ものを。一念十念にて攝取し給ふと |
Z08_0084A17: | いふなり。それをあしく料簡して。ひとへに平生にと |
Z08_0084A18: | りなして。一念の義をたつるなり上人御消息の心なり。すでに乃 |
Z08_0084A19: | 至といふは。多より少にむかひ。平生より臨終にむか |
Z08_0084A20: | ふ詞なり。釋にも上盡一形。下至十聲一聲等とあり。 |
Z08_0084B01: | 是は當流の心なり。選擇集ニ云ク。諸師之釋ニハ。別M(シテ)云フ二十念往生ノ |
Z08_0084B02: | 願ト一。善導獨リ總M(シテ)云ヘリ二念佛往生ノ願ト一。諸師ノ別M(シテ)云ヘルハ二 |
Z08_0084B03: | 十念往生ノ願ト一者。其ノ意ロ卽不レ周也。所二-以然ル一者。上 |
Z08_0084B04: | 捨テ二一形ヲ一。下捨ツルカ二一念ヲ一之故也。善導ノ總M(シテ)言ヘルハ二念 |
Z08_0084B05: | 佛往生ノ願ト一者。其ノ意ロ卽チ周ネシ也。所二-以然ル一者。上ニ |
Z08_0084B06: | 取リ二一形ヲ一。下ニ取ル二一念ヲ一之故也。已上●(六〇)十二問 |
Z08_0084B07: | 答。黑田消息等にあり。●(六一)信は行をす〻め。行 |
Z08_0084B08: | は信をす〻め。旋火輪のごとくすべし。●(六二)右 |
Z08_0084B09: | の詞の評量なり。●(六三)上人禪勝房にしめし給ふ |
Z08_0084B10: | 御詞に云ク。一念十念にて往生すといへばとて。念佛 |
Z08_0084B11: | を疎相に申せば。信が行をさまたぐるなり。念々不 |
Z08_0084B12: | 捨者といへばとて。一念十念を不定におもへば。行 |
Z08_0084B13: | が信をさまたぐるなり。已上●(六四)一念十念にて |
Z08_0084B14: | も。往生はとぐべしとおもへ。上人ノ云ク。一念を不定 |
Z08_0084B15: | におもへば。念々の念佛ごとに不信の念佛になる |
Z08_0084B16: | なり。そのゆへは阿彌陀佛は。一念に一度の往生を |
Z08_0084B17: | あてをき給へる願なれば。念ごとに往生の業とな |
Z08_0084B18: | るなり。●(六五)念佛の法は。心の相續を本とす。懈 |
Z08_0084B19: | 怠なれば無間修にそむくなり。淨土用心ニ云ク。一念十 |
Z08_0084B20: | 念にも往生はすれども。おほく申せば上品にうまる |