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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0051A01: えず。(九九)又しらず。佛もさ程によは〱しからん
Z08_0051A02: 心なりとも。すてじとまでは。ちかはれずもやなどお
Z08_0051A03: もひあへり。(一〇〇)かやうのうたがひは。ひたすら
Z08_0051A04: にくからざれども。(一〇一)さりとては佛の本願は。
Z08_0051A05: さるをも。(一〇二)すてじとちかはれたらんには。そ
Z08_0051A06: のうへを。なをよもとは。(一〇三)いか▲うたがふべ
Z08_0051A07: き。凡夫のぶんざい(分齊)の心は。つよくとても何程
Z08_0051A08: の事かあらん。(一〇四)とても。佛の御ちからにてう
Z08_0051A09: まるべくば。をのがちからは。よはくとても。それに
Z08_0051A10: よるべからず。わが心ざしのつよからんよりは。佛の
Z08_0051A11: 願力のつよからんこそ。たのもしかるべきに。わが心
Z08_0051A12: ざしの。よはければとて。佛もいか▲とあやぶ(危)む
Z08_0051A13: は。(一〇五)願力をいやしむになるぞかし。た▲かま
Z08_0051A14: へて。をのがちからのよはからんにつけても。いと▲
Z08_0051A15: (彌)佛の御ちからをたのむべき也。(一〇六)又いか
Z08_0051A16: に。よは〱しからん心ざしまでも。すてらるまじき
Z08_0051A17: 事は。うたがひやは侍る。(一〇七)そのゆへは。すで
Z08_0051A18: に機をさだむる時。いたりてをもき。五逆までをおさ
Z08_0051A19: (攝)め。行を願ずる時は。いたりてすくなき。一念ま
Z08_0051A20: でをたてたり。心をとらん時。いか▲。又いたりてよ
Z08_0051B01: はき心ざしまでをも。おさ(攝)められざらん。(一〇八)
Z08_0051B02: いはんや。つみふかき機ならば。心もしたがひてをろ
Z08_0051B03: かに。行あさきものならば。心ざしもをのづからうす
Z08_0051B04: かるべきいはれにてこそあれ。(一〇九)しかあるに。
Z08_0051B05: 機と行とのつたなきを。すくはんための本願に。心は
Z08_0051B06: ふか〻らんをと。ちかはれたらんは。あたら(惜)本
Z08_0051B07: 願のよきかたは(醜。片輪)なるべし。(一一〇)さしも五
Z08_0051B08: 劫まで案じ給ひけむ善巧の。さるてづ〻(手筒)なる事
Z08_0051B09: やは侍るべき。(一一一)かやうのことはり(理)をも
Z08_0051B10: て(以)思ふに。いかにあさき心ざしなりとも。いつは
Z08_0051B11: りなく。たすけ給へとだにも思ふならば。往生にふそ
Z08_0051B12: くは(不足)あるべからず。(一一二)おほよそ(大凡)
Z08_0051B13: 生死をいづる事の。かた(難)にはあらず。發心する
Z08_0051B14: 事の。かたかりしゆへに。過去遠々。生死悠々たりし
Z08_0051B15: 身の。(一一三)このたび彌陀の本願にあひて。わづか
Z08_0051B16: に。たたすけ給へと思ふばかりの心をおこ(發)して。
Z08_0051B17: 往生のほい(本意)をとげん事は。ひとへに佛の御ち
Z08_0051B18: からぞかし。(一一四)か〻るみのり(法)をき〻えつ
Z08_0051B19: るむかしのむくひ。うれしくこそと。宿因おもひつ▲
Z08_0051B20: けて。悲喜こも〲ながれ氣(流氣)なり。(一一五)

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