浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0003A01: | てまたちかし。淨土の抄物おほかる中に。大悲の願 |
Z08_0003A02: | 意をあらはして。下機の心行をもよほす事。はた此抄 |
Z08_0003A03: | にしくはなし。まことに西方の捷徑。行者の龜鑑なり。 |
Z08_0003A04: | 宜なるかな。兩尊遣迎の慈悲。廣長の舌相を。向師の |
Z08_0003A05: | 筆端に翻して。陳唱したまへるなれば。世こぞりて本 |
Z08_0003A06: | 朝の佛說といふ。たれかこれを信ぜざらんや。過にし |
Z08_0003A07: | 天和の比。同法の請にあひて。これを講する事侍しに。 |
Z08_0003A08: | 性を鈍にうけて。一文をも暗誦するにものうく。その |
Z08_0003A09: | かうがへあるをば。こと〲く筆記して三部七册。か |
Z08_0003A10: | たのごどく講談しをはりぬ。しかるに今老師の命。い |
Z08_0003A11: | なひがたし。且は愚化の一助ともなりぬべければ。朽 |
Z08_0003A12: | たるをゑりて。かの草藁をた▲し。みだりに本文に |
Z08_0003A13: | 附して。す▲ろに梓にちりばむ。おそらくは。身塵冗 |
Z08_0003A14: | にまじはりて。硏究するに暇なし。老索いまだつま |
Z08_0003A15: | びらかならず。註解なをあやまりおほかるべし。なん |
Z08_0003A16: | ぞ覆醬のあざけりをのがれん。嗚呼。予が檮昧なる。 |
Z08_0003A17: | あにこれをかならずとせんや。かの山を移せるこ〻 |
Z08_0003A18: | ろざしにならひて。さらに來哲の删補を期するのみ。 |
Z08_0003A19: | あへてねがはくは。此抄の講習年々に流布し。ながく |
Z08_0003A20: | 邪敎の風をうつして。あきらかに正法の燈をか〻げ |
Z08_0003B01: | ん。 |
Z08_0003B02: | 時に貞享四年みな月初の二日に。野僧湛澄洛北佛牙 |
Z08_0003B03: | 院にしてしるし侍る。 |
Z08_0003B04: | 此鈔緣起 |
Z08_0003B05: | ○眞如堂ノ記ニ云ク。元享の比。向阿上人といひしは。偏 |
Z08_0003B06: | に念佛に歸しけるが。其頃。淨土門の餘流さま〲 |
Z08_0003B07: | なり。よも法然上人のをしへまち〱にはあらじと |
Z08_0003B08: | おもひわづらひけるほどに。年頃ちなみし同朋の |
Z08_0003B09: | 有りけるが。北白河の邊にすむと聞て行けるに。む |
Z08_0003B10: | なしき趾をたづねくらして。事のつゐでは心やまし |
Z08_0003B11: | けれど。こ〻ろざしは佛しり給ふべし。けふは彌陀 |
Z08_0003B12: | 感應の日なればとて。その夜は當堂に通夜して。う |
Z08_0003B13: | ちまどろみけるに。いつの程より來けん。僧二人か |
Z08_0003B14: | たりゐたり。一人はとをくきたれりとおぼえて。初 |
Z08_0003B15: | 發心の修行者なり。一人は此あたりの人とおぼし |
Z08_0003B16: | きが。老ごゑなり。何事にかときくに。念佛の法門の |
Z08_0003B17: | こる所なく申あへり。まことに二尊の化現ならで |