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J2760 略伝集 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0486A01: り常に來り問ふ者敎樂す諸宗の龍象問訊し法門を授
J18_0486A02: かる輩日日絶へず受戒の緇素貴賤凡そ二千人餘也抑
J18_0486A03: も師の所立の法門古今に超過す筆紙に盡すへからず
J18_0486A04: 畧して之を言はば上は釋尊を本師とし龍樹天親の二
J18_0486A05: 大士を依怙とし其餘は天台花嚴眞言法相三論の諸祖
J18_0486A06: と雖も其䚹謬を匡し其正につき其非を辨斥す説く所
J18_0486A07: 甚た高上にして胥唱和する者なし故に徒弟何れも其
J18_0486A08: 法門を得るものなし著す所の書籍數部あり特に法藏
J18_0486A09: 正論數卷を造りて佛法の正義を演ふ惜哉此書央なら
J18_0486A10: さることを其外講説の趣きは門人記錄して卷をなすも
J18_0486A11: の多し又師は佛書の學は更也外典に通し古書を好む
J18_0486A12: 故に天下の奇書自から聚る之數萬卷架に充つ希世の
J18_0486A13: 珍書若干を藏む平生脇を疊に着けすして勤學し給ふ
J18_0486A14: こと殆んと五十餘年也寬延元戊辰年春の末より所勞あり
J18_0486A15: 夏首より疾おもく床に臥し八月に至りて病厚しかく
J18_0486A16: ては大漸の近くへきことを知りて八月廿五日受業の弟
J18_0486A17: 子縁山の海雲を招き宗旨の安心且自門所立法門の趣
J18_0486B18: を悉く授與し兼て滅後の遺囑こまかに付し扨又弟子
J18_0486B19: 元皓に本尊及び内外の書籍坊舍に至る迄看護すへし
J18_0486B20: と付屬遺命し同く九月廿日卯の上刻安然として遷化
J18_0486B21: し給ふ戒臘四十四夏世壽六十又六也弟子海雲元皓等
J18_0486B22: 其遺骸を荼毘して遺骨を下谷壽永寺に葬り收め塔を
J18_0486B23: 建てて供養す當時走譽連察大僧正增上寺主たり和上
J18_0486B24: と法縁ある上和上の光德を後世に朽ちさらしめんと
J18_0486B25: て葬地となせし壽永寺を以て官に白して改めて淨土
J18_0486B26: 宗の律院となし即ち敬首和上を以て中興の開山と仰
J18_0486B27: き軌則を出して格外の律院と定めらる弟子元皓をし
J18_0486B28: て壽永寺に住せしめ法脈を永く絶へさらしむ基とす
J18_0486B29: 和上持念の本尊所持の内外聖敎法具に至る迄壽永寺
J18_0486B30: に鎭して永く看護せしむ實にこれ先師和上德光の餘
J18_0486B31: 德と云ふへし和上在世の化益及ひ所立の法門所述の
J18_0486B32: 書目かつ藏書の目錄等別に記するか如し將來事實を
J18_0486B33: 忘却せざるがために始末を記すこと上件の如しと云
J18_0486B34: 右は壽永寺古記より抄錄する所也和上の著述に天

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