浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0486A01: | り常に來り問ふ者敎樂す諸宗の龍象問訊し法門を授 |
J18_0486A02: | かる輩日日絶へず受戒の緇素貴賤凡そ二千人餘也抑 |
J18_0486A03: | も師の所立の法門古今に超過す筆紙に盡すへからず |
J18_0486A04: | 畧して之を言はば上は釋尊を本師とし龍樹天親の二 |
J18_0486A05: | 大士を依怙とし其餘は天台花嚴眞言法相三論の諸祖 |
J18_0486A06: | と雖も其䚹謬を匡し其正につき其非を辨斥す説く所 |
J18_0486A07: | 甚た高上にして胥唱和する者なし故に徒弟何れも其 |
J18_0486A08: | 法門を得るものなし著す所の書籍數部あり特に法藏 |
J18_0486A09: | 正論數卷を造りて佛法の正義を演ふ惜哉此書央なら |
J18_0486A10: | さることを其外講説の趣きは門人記錄して卷をなすも |
J18_0486A11: | の多し又師は佛書の學は更也外典に通し古書を好む |
J18_0486A12: | 故に天下の奇書自から聚る之數萬卷架に充つ希世の |
J18_0486A13: | 珍書若干を藏む平生脇を疊に着けすして勤學し給ふ |
J18_0486A14: | こと殆んと五十餘年也寬延元戊辰年春の末より所勞あり |
J18_0486A15: | 夏首より疾おもく床に臥し八月に至りて病厚しかく |
J18_0486A16: | ては大漸の近くへきことを知りて八月廿五日受業の弟 |
J18_0486A17: | 子縁山の海雲を招き宗旨の安心且自門所立法門の趣 |
J18_0486B18: | を悉く授與し兼て滅後の遺囑こまかに付し扨又弟子 |
J18_0486B19: | 元皓に本尊及び内外の書籍坊舍に至る迄看護すへし |
J18_0486B20: | と付屬遺命し同く九月廿日卯の上刻安然として遷化 |
J18_0486B21: | し給ふ戒臘四十四夏世壽六十又六也弟子海雲元皓等 |
J18_0486B22: | 其遺骸を荼毘して遺骨を下谷壽永寺に葬り收め塔を |
J18_0486B23: | 建てて供養す當時走譽連察大僧正增上寺主たり和上 |
J18_0486B24: | と法縁ある上和上の光德を後世に朽ちさらしめんと |
J18_0486B25: | て葬地となせし壽永寺を以て官に白して改めて淨土 |
J18_0486B26: | 宗の律院となし即ち敬首和上を以て中興の開山と仰 |
J18_0486B27: | き軌則を出して格外の律院と定めらる弟子元皓をし |
J18_0486B28: | て壽永寺に住せしめ法脈を永く絶へさらしむ基とす |
J18_0486B29: | 和上持念の本尊所持の内外聖敎法具に至る迄壽永寺 |
J18_0486B30: | に鎭して永く看護せしむ實にこれ先師和上德光の餘 |
J18_0486B31: | 德と云ふへし和上在世の化益及ひ所立の法門所述の |
J18_0486B32: | 書目かつ藏書の目錄等別に記するか如し將來事實を |
J18_0486B33: | 忘却せざるがために始末を記すこと上件の如しと云 |
J18_0486B34: | 右は壽永寺古記より抄錄する所也和上の著述に天 |