浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0396A01: | 住吉の北に。赤塚山といへる松山は。吉田氏の地所 |
J18_0396A02: | なりければ。此山中に草庵作りて。師を請じ奉り。 |
J18_0396A03: | 日日の齋食資用。すべて供養しけり。毎月十五日に |
J18_0396A04: | は。遠近の老少かぎりもなく詣來るに。各名號一枚 |
J18_0396A05: | づづを授與せられて。ひたすらに日課念佛をぞ勸給 |
J18_0396A06: | ける。件の名號を。病人或は産婦など拜服するに。 |
J18_0396A07: | 果して利益を得。靈驗を蒙るもの。あまた有ける故 |
J18_0396A08: | に。人人これを拜服名號とぞ稱しける。 |
J18_0396A09: | 本勇。本名の兩尼は師の須ケ谷にて山居のころ。山 |
J18_0396A10: | の麓に庵造りて。念佛せしに。本名は早く往生をぞ |
J18_0396A11: | 遂にける。本名。およびその母の行實。臨終のさまなど。南紀往生傳に出たり今は唯影にと |
J18_0396A12: | もなふ窓のもとに。心ぼそくのみ過しけるが。師も |
J18_0396A13: | 此ごろ攝州へうつらせ給ひてのちは。いとど燈火の |
J18_0396A14: | 消ぬる心地やらんかたなくて。哀この身のあらんか |
J18_0396A15: | ぎりは。御庵近くもなどおもひ定て。同年秋の末つ |
J18_0396A16: | かた。心強も須ケ谷を立出て。攝州のかたへぞ趣け |
J18_0396A17: | る。師は其ころ。西の別莊にいましけるよし聞けれ |
J18_0396B18: | ば。いざとてつとめて行。西宮わたりにて。日はは |
J18_0396B19: | やく暮にけり。ちまた幾つにもわかれたれば。いづ |
J18_0396B20: | れをいづれと。定べきやうもあらぬを。とある小路 |
J18_0396B21: | より身のたけいとひききをとこ獨出きて。我ゆくか |
J18_0396B22: | たへといへるに。嬉しくて。つきて行。其をとこの |
J18_0396B23: | いへらく。ここは日本第一の。惠比壽の神のいます |
J18_0396B24: | 宮也。尼公も。此御神には縁しあるを。道のついで |
J18_0396B25: | もよろしければ。參詣せずやといふ。本勇はもと鹽 |
J18_0396B26: | 津の産にて。城堭も惠比壽の御神なるを。この男の |
J18_0396B27: | いかにして。しりけんなど。あやしみもあらで。さ |
J18_0396B28: | らばとて。ひかるるままに。社の門に至りぬ。かた |
J18_0396B29: | く扉したる門を。このをとこ指にておしたるやうな |
J18_0396B30: | りしが。兩の扉。さとひらきたり。入たちて。ここ |
J18_0396B31: | は本殿。ここは末社など。つばらにさとし示さるる |
J18_0396B32: | まま。伏拜みつ。裏門の處にても。先の如くにし |
J18_0396B33: | て。門おしひらきて出たり。道すがらも。さまざま |
J18_0396B34: | のたふとき物語どもしつつ。行ともなく。吳田近來り |