浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J18_0308A01: | ありて。快く淨業を修し。兼て緇素を勸誘化益せら |
J18_0308A02: | る。 |
J18_0308A03: | 晩年その德益高く。其名いよいよきこえて。伊豫の |
J18_0308A04: | 松山。長建寺より招請す。師再三固辭せられしかば。 |
J18_0308A05: | 城下の何某氏。或寺僧とはかりて。護法利人のため |
J18_0308A06: | なればとて。強て懇請しける故。止ことを得ず。遂 |
J18_0308A07: | に彼寺に往て住持せり。しかはあれども。師初めよ |
J18_0308A08: | り約定して。檀家の送葬追福等の事には一度も趣か |
J18_0308A09: | れず。ただ閑窓無爲に專心念佛し。いとまあれば講説 |
J18_0308A10: | をもて有縁を化益せられけり。かくて兩三年を經て |
J18_0308A11: | 後。松山の太守師を請じて。その香華の地大林寺と |
J18_0308A12: | いふに移轉せしめ。かねて國中の僧機をも正さんと |
J18_0308A13: | おもひ給ひければ。崇敬尤ふかかりけり。師その請に |
J18_0308A14: | 應ぜしより。その士太夫のためには。政敎資治の要を |
J18_0308A15: | 賛述し。政に預る人は。老莊の學をも常に明らむべ |
J18_0308A16: | しなどまうされ。又緇門法中のためには。戒乘を兼 |
J18_0308A17: | 談し。勸懲をもはらとし。不軌のもの三ケ院まで擯 |
J18_0308B18: | 斥せられしかば。自他宗門僧機大に觀をあらためけ |
J18_0308B19: | り。嚴主に悍虜なく。慈母に敗兒あり。寬にして容 |
J18_0308B20: | ことを要すとも。敎はかならず嚴なるべしと。常にま |
J18_0308B21: | うされける。 |
J18_0308B22: | 安永十年。辛丑正月。師洛東岡崎。俊鳳和尚の草庵 |
J18_0308B23: | にして。大乘圓頓菩薩僧戒。授受の作法をひらかれ |
J18_0308B24: | ける。その時和尚護持の寶塔中。白色の佛舍利二 |
J18_0308B25: | 顆。塔中にて相合して動き給はざりけり。これなん |
J18_0308B26: | 二師至誠の感應にして。亦ただ大乘僧戒佛意に相か |
J18_0308B27: | なふ事を證明し給へるなるべし。實に不思議のことに |
J18_0308B28: | て侍りける。 |
J18_0308B29: | 此上洛のあとにや。師數月不在の間。弟子の尼何 |
J18_0308B30: | 某。非法のことありときこえければ。歸寺の後。忽 |
J18_0308B31: | 門籍を除き。法衣を脱却せしめ。門前にして擯斥の |
J18_0308B32: | 法を行へり。あまりに嚴刻に過たりとて。なだむる |
J18_0308B33: | ものありけれどもきかず。その尼はしかも。松山勢 |
J18_0308B34: | 要の士の女なりしがども。師道義するどく。氣象た |