浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0131A01: | 殘多き心あるべし。然るに師ふかく隨喜の泪を落さ |
J18_0131A02: | れし事。正見の内に逼りて。其色の外に顯はれける |
J18_0131A03: | と。いと貴ふとし。世に一等の專修者ありて。一向 |
J18_0131A04: | 專修を勸むる本意を察せず。動すれば。餘佛餘敎を |
J18_0131A05: | 輕しめ奉り。他門の行人をば讐敵の如く。思ひなす |
J18_0131A06: | 類ひ。往往にあり。これゆゆしき邪執の者なり。何 |
J18_0131A07: | ぞ佛意に叶はんや。愼むべし恐るべし。夫しばらく |
J18_0131A08: | 專修の門に向ふの日。諸行を雜修すれは。心散漫し |
J18_0131A09: | て。一行成じがたし。故に餘行を閣く所なり。元祖 |
J18_0131A10: | 大師の宣はく。餘行をするをこそ嫌へ。念佛を妨ぐ |
J18_0131A11: | れはなり。功德を捨ばこそ。往生の因となるがゆへ |
J18_0131A12: | にと向阿要略鈔されば觀經九品の中上六品はことごとく |
J18_0131A13: | 諸行往生を明せり。其うへ龍樹菩薩は。爲衆説法無 |
J18_0131A14: | 名字と釋し給ひて。彌陀尊淨土に於て。聖衆の爲に |
J18_0131A15: | 無名字の法を説給ふといへり。これすなはち。般若 |
J18_0131A16: | の空理。維摩不二の法門なるべし。又觀經の所説に |
J18_0131A17: | よれは觀音勢至淨土に於て。下品生の人の爲に。大 |
J18_0131B18: | 乘甚深の經典を説き。諸法實相除滅罪の法を説て。 |
J18_0131B19: | これを聞かしめ給ふとあり。これまさしく。花嚴大 |
J18_0131B20: | 品大集法花涅槃等の究竟大乘の法門ならずや。然れ |
J18_0131B21: | ば西方の行人。なんぞ三尊所説の法理を。輕しむべ |
J18_0131B22: | けんや。無住禪師の云。すべて萬行一門なり。心を |
J18_0131B23: | 得て行ずれば。佛意に叶ふといひながら。殊に法花 |
J18_0131B24: | 念佛は。一具の法門にて。中あしかるまじきに。當 |
J18_0131B25: | 世の是非謗法かなしむべしと。是ただ專徒のみにあ |
J18_0131B26: | らず。諸宗の末流も。又浸浸として。此邪執に陷る |
J18_0131B27: | 類ひ。すくなからず故に大論に云。自然を愛染する |
J18_0131B28: | が故に。他人の法を毀訾れば。持戒の行人なりとい |
J18_0131B29: | へども。地獄の苦を脱れずと。宜しくこれを思ふべ |
J18_0131B30: | し |
J18_0131B31: | 一同廿七日の朝。師の受業の師範大安寺退隱良覺上 |
J18_0131B32: | 人。及ひ現住良聲上人。共に禪室に來臨ありて。今 |
J18_0131B33: | 生の永訣を述べ。西土の再會を期せらる。師資先後 |
J18_0131B34: | の恨。紅涙枕席を沾し。花臺半座の契り。喜情懷抱 |