浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0122A01: | 法友の許へも。ことさらには尋訪らはるる事なし。 |
J18_0122A02: | まして請用の饗應など一切うけられ侍らず |
J18_0122A03: | 一師常に恭敬修を第一とせられき。されは白地に佛 |
J18_0122A04: | 前に向はれ候にも。其風情まことに大賓などに對す |
J18_0122A05: | るがごとく。いと等閑ならずぞ見えける。西方要决 |
J18_0122A06: | に但想尊容當如眞佛といへり。因に閑亭後世 |
J18_0122A07: | 物語に記す。隆寬律師の門人の記する所なり。問本尊に向ひ奉る時は。 |
J18_0122A08: | 外に生身の佛御坐とおもふべきか。又此繪像木像こ |
J18_0122A09: | そ。頓て生身の佛よと思ふべきか。答二の義共に違 |
J18_0122A10: | はず。敬日上人のいはく。此形像を以て。生身の佛 |
J18_0122A11: | を想像便として。此佛だにも。めでたくおはしま |
J18_0122A12: | す。まして生身の佛。いかに愛たくおはしますらん |
J18_0122A13: | と。戀しく思ひ奉れは。此形像に思ひ馴奉りて生身 |
J18_0122A14: | の佛を見奉る也と云云明遍僧都のいはく。此本尊の |
J18_0122A15: | 外に。生身の佛おはしまさず。この繪像木像を。頓 |
J18_0122A16: | て生身の佛と思ふこそ。本尊に向ひ奉る甲斐なれ。 |
J18_0122A17: | 眞言敎にも。此本尊を軈て生身と思ひて行へばこ |
J18_0122B18: | そ。悉地もかならず疾成就すれと云云上人の宣は |
J18_0122B19: | く。生身の佛。この本尊に入給へは。本尊の御眼に |
J18_0122B20: | 見へ奉るは。頓て生身の御眼に見へ奉ると思ふべ |
J18_0122B21: | し。本尊の御耳に申す事聞れ奉るは。やがて生身の |
J18_0122B22: | 御耳に聞れ奉ると思ふべし。かやうに思へば。本尊 |
J18_0122B23: | に向ひ奉る功德。目出たき事なりと已上隆寬 |
J18_0122B24: | 一師の言貌さはめて溫柔謙下なりといへども。常に |
J18_0122B25: | 膝下に侍する者も肅み敬ふて。あへて媟慢する事な |
J18_0122B26: | し。その道骨の凛然たること知ぬべし。師晝夜常に |
J18_0122B27: | 危坐しておはしける。設ひ燕居の折にも。いまだか |
J18_0122B28: | つて胡床かきて大坐せれしを見ずと。又師晝夜共に |
J18_0122B29: | 直綴の上に腰帶を堅く縮て身を聳かしおはしける。 |
J18_0122B30: | 或人その故を尋ねしかは。師申さるるやう。身持心 |
J18_0122B31: | ずかひ常に旅に出立たる想ひすれば。心發輝として |
J18_0122B32: | 念佛も勇み進むゆへ。不斷にかく仕着侍るなりと。 |
J18_0122B33: | 又問ふ。多年左樣におはしますやと。師答ていはく |
J18_0122B34: | この十箇年ばかり以來。かく心懸侍りきと。是を |