浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0673A01: | 本堂の南御所の間の壇上に安置し奉りぬしかるに寬 |
J17_0673A02: | 永二年の春内陣西の板壁修覆をなしける時唐紙をは |
J17_0673A03: | なし見るに御影のうすくうつりたる紙ありつらつら |
J17_0673A04: | 是を精窮するに木像を安置する後なる紙なり彫像は |
J17_0673A05: | 正しく龕中にいましなから厨子と表張のから紙二重 |
J17_0673A06: | へだてなから透徹して映らせ給ふ事の世にありかた |
J17_0673A07: | き事にして凡心の測て窺ふところにあらすすなはち |
J17_0673A08: | 開山上人木像の映り影と號して寶藏にあり。 |
J17_0673A09: | ○古記ノ始終ヲ照應スルニ照譽守西トイヘル僧四十年衆中ニアリテ勤メケルニ修復ノ功德主トナリテ生涯兩度マテ内陣ノカラ紙ヲ張替シ寬永二年ハ兩度ノ中ニソノ後ノ回ナリ畵師イヘラクイフカシシ此像ハ畵工ノ筆ニテウツシタル物ニアラズト云云守西恭敬尊重シケルコト年久シ同門ニ心譽是頓トイヘル僧ウラヤミテ荐リニ懇望シ侍リケレハ是非ナク是ヲ讓與シテイヒケルハ命終ノ後ハ必ズ山ニ納ムベシト維時慶安二年ナリ遂ニ付屬ヲ得テ崇重怠リナク生涯奉持シ十七年經テ寬文五年二月廿三日當山ノ寶藏ニ納テ什寳トセリ彼ノ映リ影ノ像ヲ見奉ルニ六寸程ニ見エサセ給フ或人云御影ノ形木像ニスコシモタカヒ玉フコトナク不思議ノ御事イハンカタナシ然ニ龕中ノ木像ノ本質ハ正シク四寸九分ナルニウツラセ玉フ影像ハ六寸餘ニモ見エ玉フハイカカシタル御事ニヤトイヒシモケニサルコトナレト總シテ夜燈ノ影法師ハ本質ヨリ大ナルモノ也燈 |
J17_0673B10: | 遠ケレハ彌大ナルモノ疑トスルニタラス嗚呼勝尾寺ノ二祖ノ御影儼然トシテハメ板ニ映ラセ玉ヒ即化身ト肉身トノ景ノ御影今現ニ二階堂ニマシマシテソノ威靈ヲ示シ玉フ今ハ又木像ノウツリ繪ナリミタリニ思議スルコトニアラス其後慶安二年十月十九日當院二十世然蓮社廓譽カサネテ修飾ヲ加ヘ且其顚末ヲ裏面ニ記セリ今玆寳曆十二年前ナレハ百十四年ナリ最初出現ノ年ヨリ今玆ニ至リ凡百三十八年ヲ經タリ。 |
J17_0673B11: | 木像彫刻瑞夢の事 |
J17_0673B12: | 記云天和貞享の比當山役僧に是人といへるまめやか |
J17_0673B13: | の念佛者あり正直柔順にして殊勝なりしがやんこと |
J17_0673B14: | なき開山の威風をたとひける倩しめやかに思惟する |
J17_0673B15: | に開山師の眞影小像にして拜するに便りなしとひた |
J17_0673B16: | ふるに是をかなしみ遂に工匠を招て御長二尺の坐像 |
J17_0673B17: | を彫刻せり相貌圓滿にして生がことく又佛室を造ら |
J17_0673B18: | ん事を願念しけれは是亦落成せり今本堂南の壇に安 |
J17_0673B19: | 置し奉る尊像是なり斯て是人法子大願成就せしかは |
J17_0673B20: | 歡喜身に餘り踊躍神に薰じけるか其夜夢見らく上人 |
J17_0673B21: | の木像是人か枕の邊に在して曰我は是久遠劫以來の |
J17_0673B22: | 佛なりと其とき彼僧たうとさ限りなく蹲居して禮敬 |